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日刊建設タイムズ社
2022/03/17

【千葉】文化芸術施設を先行/飛行場周辺まちづくり/基本構想素案まとまる/木更津市

 木更津市は「木更津飛行場周辺まちづくり基本構想」の素案をまとめた。開発が進んでいる金田地区から旧庁舎跡地にわたる区域を一体的に捉えた上で、「吾妻公園」など4つの重点地区を設定している。今後は、4月14日までの素案に対するパブリックコメントを経て6月にも基本構想を策定し、2022年度に基本計画、また23年度に実施計画を定める見通し。吾妻公園に整備する文化芸術施設については、24年度から2か年で事業手法の検討、基本設計、実施設計を進め、26年度と27年度に工事を行う想定だ。そのほかの重点地区における施設整備も順次進めていく。
 「新たなにぎわいの場・安心安全の創造」を基本理念とし、「『新たな交流』を生む(回遊性を持つにぎわいのあるまちづくり)」と「『いのち』を守る(防災の機能を持つ安心・安全なまちづくり)」を実現する。
 重点地区は「吾妻公園」のほか、「江川総合運動場周辺」「木更津駅周辺」「旧庁舎跡地」。
 金田地区から、「みなとまち木更津再生プロジェクト」に掲げている駅周辺地区、内港地区、築地地区へ人の流れを誘導するため、各重点地区の経由による回遊を促進。スポーツや文化芸術活動などの交流の場、また災害時には一時的な避難所機能を備えた場として、市民が安心安全に暮らせるよう、「災害に強いまちづくりの実現」のための施設整備などを目指す。
 施設整備などにあたっては、財政的な負担を考慮し、国有地と市有地の活用を基本とする。また、国の補助事業であるまちづくり支援事業を活用する。
 重点地区のうち「吾妻公園」は、敷地面積4万1200uで、第一種住居地域に属する。20年6月策定の「中規模ホール整備基本計画」で示した新たなホールの方向性を踏まえ、幅広い世代の市民が気軽に訪れ、情報の受発信ができる文化芸術施設を整備する。駐車場500台程度、カフェ・ショップなどの商業施設、図書館・公民館等の公共機能、防災活動の拠点機能を複合させる。
 公園としての再整備に際しては▽緑豊かな環境で屋外でも活動できる場(キッズバイク・ドッグランなど)▽雨天時でも活動できる大屋根広場などの整備▽民間事業者による収益施設の整備▽Park―PFI制度導入の可能性――を検討する。
 
旧庁舎跡地に/公設市場整備
 
 「江川総合運動場周辺」は敷地面積32万5425・26uで、市街化調整区域に属する。周辺の防衛省所有地を活用し、築山や防災機能を備えた公園を整備。さらに、Park―PFIを採用し、災害時の一時避難機能なども備えたスポーツ合宿等ができる施設、バーベキュー施設、グランピング等の簡易宿泊施設の設置について可能性を探っていく。
 「木更津駅周辺」は、商業地域と準工業地域からなる。木更津駅周辺庁舎・市民交流スペースの活用、アーケード撤去・無電柱化・歩道整備による富士見通り再整備、ポケットパーク(溜まり場機能)、街なか居住マンション建設に対する補助などを検討する。
 「旧庁舎跡地」は、敷地面積2万3491・83uで、準工業地域に位置。公設地方卸売市場の整備に向け、22年度と23年度の2か年で経営戦略を策定する予定。また、地元の素材を使用したレストランや物販店などについても検討する。
 そのほか、重点地区の整備により影響が生じる地区について▽吾妻地区=弓道場の市民体育館への移転▽新田地区=公設地方卸売市場敷地の民間活力導入を含めた活用▽文京地区=図書館敷地への子育て支援施設整備▽旧庁舎跡地=備蓄倉庫の移設を含めた活用――を模索する。

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