「2021年度第2回千葉県移動性向上プロジェクト委員会」が15日、千葉国道事務所2階202会議室を本部とし、ウェブ会議形式で開催された。県内の一般道主要渋滞箇所は、前回までに34か所が除外され、245か所となっている。ETC2・0プローブ等のビッグデータを活用した分析と、▽発生源の調整▽手段の変更▽適切な自動車利用の誘導▽出発時刻の変更▽効率的な自動車の利用――によるTDM施策(交通需要マネジメント)を検討しており、今後、交通特性や地理的状況を分析し、交差点改良などのハード整備と併せ、施策を推進していく方針を固めた。
議事に先立ち、委員長の赤羽弘和・千葉工業大学創造工学部教授は「今までの議論は、渋滞処理能力の向上対策が中心だった。今回は、TDM施策の検討による渋滞緩和対策について協議したい」と述べた。
主要渋滞箇所は▽平日昼間12時間平均旅行速度20km/h以下(方向別交通量の加重平均)▽平日ピーク時旅行速度10km/h以下(1方向以上)▽休日昼間12時間5%タイル速度10km/h以下(1方向以上)――の3指標に基づいて選定している。
TDM施策の試行分析対象として、葛南地域の勝田台団地入口交差点と、市原市・君津地域の八幡交差点を抽出。交通特性や地理的状況に応じ、それぞれの箇所でTDM施策を実施する場合のターゲット層や規模感を想定した。
勝田台団地入口交差点のターゲット層は、交差点周辺の住宅地の居住者で、公共交通への転換や出発時間帯をずらしてもらうための働き掛けをTDM施策の例として挙げた。また、八幡交差点では、工業地域の従業者をターゲット層とし、混雑時間帯を避けるよう退勤時間(勤務時間)を調整してもらうための働き掛けをTDM施策の例とし、それぞれ、交通需要の推計値に基づく減少量の目標値を試算した。
22年度以降、TDM施策により主要渋滞箇所からの除外が見込める箇所を抽出。抽出した箇所ごとに交通特性・地理的状況を分析し、特性に応じたTDM施策の検討や目標設定などを行い、試行実施箇所と必要事項を整理・検討。さらに、関係者との協議・調整、地域との合意形成を図った上で、施策を試行実施し、効果を分析する。