県は、特別支援学校教育改善検討事業を2022年度から着手する。学識経験者等で構成する委員会を3回開催予定。県外視察も行う予定で、教員委員会では既存施設の改修や分置なども含め方針を来年度には示すことができるよう検討委で報告書をまとめたいとしている。10日、県議会予算特別委員会で藤ア剛委員(自民党、鹿児島市・郡区)の質問に東條広光教育長が明らかにした。
検討委員会の構成は、特別支援教育に知見がある学識経験者や保護者、市町村教育委員会、関係団体などを予定。開催回数は委員会で協議するが、22年度当初予算案では3回分を予算化した。
委員会では、他の自治体での状況も参考にするため県外視察も実施。「例えば、小中学校に併設されている施設や小学部、中学部など学部ごとになっているもののほか、廃校を活用して設置されているものを含め、近年、特別な支援を必要とする児童・生徒の増加に伴い分置された学校を調査対象とする」と東條教育長が答弁。
県議会には、伊佐市に新しい特別支援学校をつくる会(大谷暁子代表)に続いて、志布志市に特別支援学校をつくる会(有馬りゑ代表)も陳情書を提出した。
国の動きは21年9月に特別支援学校の設置基準を公布。総則および学科に係る規定は22年度、編制並びに施設・設備に係る規定は23年度からそれぞれ施行。
各学校設置者が行う特別支援学校の用に供する既存施設の改修等は、20〜24年度までを集中期間に定め、国庫補助の算定割合も3分の1から2分の1に引き上げられている。
東條教育長はこれまでの県議会で、「通学時間の課題等も含めて各学校の状況を勘案して、既存施設の改修や学校の分置等も含め優先順位を定めて計画的に対応する」と答えている。