建通新聞社(東京)
2022/03/10
【東京】3次元モデル工事契約、来年度試行 地整
国土交通省関東地方整備局は3月8日にインフラDX推進本部会議を開き、河川や道路など事業分野ごとに2022年度の取り組み方針を報告した。その中で局全体の情報基盤に関わるワーキンググループが、3次元モデルを用いた工事契約(3次元モデル工事契約)を1〜2件試行し、契約から設計照査、監督・検査、維持管理といった各段階での有効性の検証や、改定が必要な技術基準類の検討に着手すると表明。会議の席上、若林伸幸局長は「22年がインフラDX『挑戦の年』となるよう、取り組みをさらに加速化する」と述べ、インフラDXのさらなる推進に意欲を示した。
インフラDX推進本部は、デジタル技術活用を局全体で推進する場として21年7月に発足。BIM/CIM関連の幹事会の下に▽河川▽道路▽営繕▽港湾空港▽防災▽情報インフラ推進▽総務▽建政▽用地―の各ワーキングを設けている。
当日の会議ではこのうち情報インフラ推進ワーキングが、3次元モデル工事契約の試行を表明。3次元モデルを工事契約から検査までの一連のプロセスで活用し、契約段階で数量算出・積算を自動化したり、施工段階で出来形管理や工事検査を効率化したりするイメージを持っている。21年度に制度やソフトの課題を整理していた。
設計段階から3次元モデルを作成している工事を対象に、受注者と相談して試行案件を決定。2次元図面を用いる従来手法と並行して3次元モデルの活用を進め、課題を探る。維持管理段階で効果的に活用するため、工事完成時に引き継ぐ3次元モデルや属性情報の在り方などが検討テーマになりそうだ。
3次元モデル工事契約を巡っては、23年度に一部で本格実施して、10年程度での完全移行を目指すとのロードマップをこれまでに示している。
情報インフラ推進ワーキングではまた、22年度に局内全体の情報通信環境の改善に向けたボトルネック解消の検討、ローカル5G環境構築の手順書作成などにも取り組む方針だ。提供:建通新聞社