高知県は、人材確保策やデジタル化による生産性向上を柱とした「高知県建設業活性化プランver.3」を策定した。若年層の人材確保に向け、児童生徒や保護者へのアプローチ、建設業の魅力発信を強化するとともに、女性技術者が活躍できるための支援策や外国人材確保などさまざまな観点から取り組みを進める。さらに魅力ある建設業とするため、インフラ分野のデジタルトランスフォーメーション(DX)にも積極的に取り組む内容を盛り込み、コンプライアンスの確立も含め32の項目で2023年度末までの目標値を設定した。
新プランのうち、児童生徒や保護者へのアプローチに向けては、出前授業や現場見学会の実施や、職場体験を受け入れてくれる建設業者のリストを作成し中学・高校の進路担当に提供すること、また中学校や普通高校の教員、保護者に建設業の就業に向けた説明会を開催することなどを盛り込んだ。22年度には新規事業として若手技術者が母校を訪れ意見交換の機会も設ける方針。これらの事業は高知県建設業協会が主体となり県や建設業者がサポートする。
魅力発信の強化に向けては、動画や写真の投稿サイトを活用し、建設業の災害対応やインフラ整備のやりがいなどの情報を発信する。既に高知県建設業協会ではインスタグラムを通じた発信に取り組んでいる。
女性活躍の支援では、働き方改革や女性雇用に取り組む事業者を入札参加資格審査や総合評価落札方式の入札で優遇する制度を県が検討する。
外国人材の確保策としては、外国人実習生が多くの職種で働けるよう国に対し政策を提言する。また、外国語に対応した建設機械などの資格取得を県内で開催するよう支援する。高知丸高が3月1日に開設する建機センターがこれに該当する。
この他の取り組みでは、週休2日モデル工事の拡大に向け、県が市町村に対し積極的にサポートすることを盛り込んでいる。
インフラ分野のDXへの推進に向けては、現在実施しているICT機器やソフトウエア導入の補助金対象を建設業者からコンサルタントに拡充することを検討する。ICT技術に関する研修会を開き、現場の生産性向上や知識の習得を通じてICT活用工事の普及拡大にも取り組む。
新プランの策定に向けては、磯部雅彦高知工科大学学長を委員長とし、建設や教育、外部有識者による検討委員会で21年2月から協議を進めてきた。今後は毎年7月ごろ検証委員会を開き、取り組みの進捗管理などを行う。
提供:建通新聞社