長浜市は7日、一般会計516億円、特別会計(6会計)258億4500万円、企業会計(3会計)283億3270万7千円から成る総額1057億7770万7千円の22年度の当初予算案を発表した。
一般会計は、扶助費や小中学校校舎等の整備に伴う経費は増加したが、北新団地建替整備や長浜伊香ツインアリーナ第2期工事等大型建設事業の終了などで対前年度比は0・4%(2億円)の減。特別会計と企業会計をあわせた総額では0・4%の増となった。普通建設事業費は地福寺神照線や大戌亥山階線の整備工事や道路・橋梁・公共施設等保全、学校施設等の大規模改修や部位保全工事はあるものの、31・3%(11億4600万円)減の25億1100万円となった。
去る2月27日に行われた市長選挙で初当選した浅見宣義新市長による初の予算は、22年度当初分については市長選の影響により骨格予算として編成し、ポストコロナ期を見据えた産業の成長促進支援や地域のデジタル化推進、公共施設の改修や役割を終えた施設の解体等、喫緊の課題については21年度1月補正予算・3月補正予算へ前倒し、政策予算として22年度当初予算と一体的に編成を行った。
主なものでは、小中学校校舎等長寿命化改修事業費1億3240万円は、びわ北小学校南校舎外壁改修工事と神照小学校・湖北中学校の長寿命化改修設計をそれぞれ推進。新規の市営住宅維持管理業務の民間委託3億0400万円(22〜25年度債務負担行為)では、23年度からの市営住宅各種保守点検業務の一括民間委託に向けて、22年度に事業者選定を行う。神田まちづくりセンター改築整備に係る測量および実施設計費は2800万円を計上。
新規事業の企業立地促進事業2億円では、小谷城スマートIC周辺における6次産業化施設等の新・増設設備投資や、市内における工場等の新・増設造成費用を一部補助。同じく新規の土地区画整理事業1億9300万円(22〜24年度債務負担行為)では、室町土地区画整理組合事業における地区内市道と水路、河川管理道路整備工事負担金を計上。
道路関連では、新規で1億1056万円を計上した大戌亥山階線整備事業では、街路用地購入と物件移転等補償を進める。1億6906万円を計上した地福寺神照線整備事業では、道路改良工事と区画整理周辺整備工事に取り組む。
長浜市の22年度当初予算案の主なものは次の通り(関係分のみ抜粋、▼印は拡充・新規)。
【重点プロジェクト】
▽地域再生エリアコーディネート事業=240万円(未利用の町家を活用したアルベルゴ・ディフーゾ[まち全体がホテル]のまちづくりに視点を置いた面的リノベーションの推進プランの作成、情報発信)
▽体験型観光推進事業=600万円(体験型観光コンテンツ造成、商品販売促進、情報発信)
▽首都圏連携事業=319万9千円(東京―長浜リレーションズ事業、台東区連携事業)
▽ワークロケーション事業=659万8千円(ワークロケーション推進事業、ながはまファンプロジェクト)
▽移住交流推進事業=1306万5千円(移住促進事業、移住就業支援事業、結婚新生活支援事業)
▽小谷城スマートIC周辺6次産業化推進事業=862万6千円(地域産業誘導地区に新アグリビジネス創出のため出口戦略を持つ企業の誘致・連携を推進等)
▽農林水産資源活用・流通拡大促進事業=400万円(地域商社機能による農林水産資源の活用・流通拡大仕組みづくり)
▽水田野菜・花き栽培生産拡大推進事業=1000万円(水田野菜及び花き栽培に必要な機械の導入支援上限300万円、水田の暗渠排水整備支援上限100万円)
▽脱炭素戦略基本構想策定業務=100万円(湖北環境経済協議会と連携しシンポジウム・勉強会、プロモーションツール制作等)
▼神田まちづくりセンター整備事業=2800万円(老朽化・耐震性の課題がある神田まちづくりセンターの改築整備、測量及び実施設計)
▼防災行政無線更新事業=800万円(長浜地区・浅井地区・木之本地区の同報系防災行政無線の更新のための基本設計)
▼健康パークあざい熱源システム更新調査事業=700万円(重油ボイラー更新にあたり最も環境負荷低減に効果的な設備の選定、設計)
【教育・文化】
▼湖国フィールドミュージアム推進事業=2329万円(長浜城歴史博物館/タブレットシステム導入、出張展示、曳山博物館/大型画面で投影)
▼小中学校校舎等長寿命化改修事業=1億3240万円(びわ北小学校/南校舎外壁改修工事、神照小学校・湖北中学校/長寿命化改修設計)
▼学校ICT活用推進事業=3853万8千円(ICTを活用した学びの充実、校務の情報化推進、授業支援ソフト954万5千円、AI型教材1757万5千円、校務支援システム1141万8千円)
【健康・福祉】
▽民間放課後児童クラブ参入促進事業=600万円(長浜北・神照・南郷里・長浜南・高月小から半数以上を受け入れた新規開設民間児童クラブに家賃・土地賃貸料年上限120万円を最長24年度まで補助)
▼高齢者地域生活支援事業=250万円(使用できるエアコンのない在宅高齢者に1世帯1回1台限り購入・修理上限5万円を補助)
【産業・交流】
▼ながはまチャレンジ&イノベーション応援事業=1200万円(成長産業チャレンジ型・デジタル活用応援型・地域資源活用型の3事業区分に応じ新規性・市場性・将来性が高い取り組みに製品・サービスの開発や販路開拓等費用200〜50万円を補助)
▼企業立地促進事業=2億円(6次産業化施設等立地助成事業/小谷城スマートIC周辺の地域産業誘導地区に農林水産物の生産・加工・物販飲食・試験研究施設を新・増設し業務を開始する事業者に設備投資経費一部を補助、工場等用地造成助成事業/市内で工場等を新・増設する事業者に工場建設の用地造成費一部を補助)
▼経営継承・発展支援事業=200万円(個人事業主または法人の代表者から経営主宰権の移譲を受けた後継者に対し新たな品種開発や就業環境改善等経営発展に必要な経費を10分の10以内上限100万円を補助)
▼長浜ファンを増やすふるさと寄附の充実=1億4281万8千円(ふるさと寄附制度返礼品提供事業者、地域おこし協力隊等と連携し魅力ある返礼品の開発と魅力発信)
▼自然と森に親しむ体験交流・保全事業=880万2千円(森林環境保全業務、奥びわ湖桜並木保存業務)
【安心・安全】
▽安全・安心のまちづくり推進事業=1004万7千円(交付対象事業/防犯カメラ設置事業、地域防災訓練事業ほか)
【環境・都市】
▼太陽光発電システム等設置促進事業=2000万円(太陽光発電システム・定地式蓄電システム・家庭用エネルギー管理システムに上限10〜2万円を補助)
▼田村駅周辺整備事業=8919万4千円(田村駅秋前広場と駅接続道路の環境整備、田村駅東広場等詳細設計[A5900平方b]、田村駅南線[北川]暗渠工事[L34・4b])
▽豊公園再整備事業=6420万円(修景舗装A1000平方b、修景設備1式、上下水道施設1式、電気設備工事、電力施設設置・撤去1式、園路照明4基等)
▼土地区画整理事業=1億9300万円(室町土地区画整理施工地区内整備工事/市道今川室線整備工事L230b、2号水路整備工事L240b他、地区外整備工事/長浜新川管理道路整備工事L440b他)
▽木之本宿道路整備事業=8500万円(市道田部木之本線他測量設計L910b、同線道路改良工事L290b他)
▼(仮称)神田スマートインターチェンジ整備事業=2900万円(実施計画書等作成、土地調査委託他)
▼大戌亥山階線整備事業=1億1056万8千円(街路用地購入、物件移転補償、公共施設管理負担金)
▽地福寺神照線整備事業=1億6906万8千円(道路改良工事L120b、区画整理周辺整備工事、物件補償他)
▽地域整備及び地域振興事業=6360万円(上丹生消雪施設整備、地域振興事業)
【長浜市DX】
▼施設利用予約のオンライン化=1650万円(スポーツ施設35施設・文化施設9施設・まちづくりセンター22施設にオンライン予約等が可能となるシステム導入)
▼訪問支援システム端末の導入=106万4千円(ケースワーカー訪問用タブレット導入等)
【民間活力導入】
▼多面的機能支払交付金事業の民間委託=2900万円(農業施設の適正管理、長寿命化他)
▼市営住宅維持管理業務の民間委託=2万4千円(22〜25年度債務負担行為3億0400万円(市営住宅各種保守点検業務等、修繕、環境整備、電話及び窓口対応の23年度からの一体民間委託、22年度事業者選定と業務内容調整等)
【その他】
▽長浜市立湖北病院施設整備基本構想・基本計画策定支援事業=1650万円(施設・設備に関する構想・計画作成及び策定委員会運営支援)
▽介護老人保健施設湖北やすらぎの里施設整備基本構想・基本計画策定支援事業=440万円(施設・設備に関する構想・計画作成及び策定委員会運営支援)
提供:滋賀産業新聞