岐阜県と岐阜市、名古屋鉄道(以下、名鉄)が事業を進める名鉄岐阜駅から岐南駅間の高架化事業が国土交通省中部地方整備局に事業認可された。名鉄岐阜駅を起点に、加納駅と茶所駅、茶所検車区、岐南駅の間で安全で円滑な交通を確保する。高架化に合わせて統合駅(仮称)の設置、駅前広場の整備に向けて事業が本格的に動き出す。2022年度は仮線整備のため詳細設計と用地測量を行う。県は22年度当初予算案に3億3000万円を付けた。
高架化事業は、連続立体交差事業区間(延長2049b)と岐阜駅側連立附帯事業区間(延長411b)、岐南駅側連立附帯事業区間(同332b)の3区間で構成。このうち、今回認可されたのは2049b区間で、正式名称は「名古屋鉄道名古屋本線加納駅・茶所駅付近連続立体交差事業」。事業期間は22年度から36年度までの14年間。事業費は約419億円を見込んでいる。岐阜駅側の附帯事業は市が道路事業として進め、岐南駅側の附帯事業は線路が境川に架かるため県が河川事業として河川改修や交差部の橋梁架け替えなどを取り組む。
高架化に先立ち整備する仮線は、今ある路線の北側と茶所検車区の東側に整備する。使わなくなった線路上に高架橋を設置していく。
同事業は1970年に調査に着手し、99年には県で新規着工準備採択がされていた。89年11月19日は県と市、名鉄の3者で事業の覚書を締結。20年3月31日に都市計画決定され、ついに事業認可された。
線路と交差する道路は踏切で慢性的な渋滞が課題となっていた。ピーク時の1時間で最も遮断機が下りている踏切は、車道で36分、歩行者用道路で44分間だという。
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建通新聞社