高知県土木部は土木・建設分野のデジタル化推進の一環として、2022年度から入札参加資格審査の電子申請に取り組む。高知県土木行政総合情報システムと連携し、電子申請システムを開発する計画で、関連費用として当初予算案に4951万円を計上している。23年度審査からは電子申請による受け付けに合わせ、入札参加資格の有効期間を現行の1年から2年に延長することや市町村との共同受付、地域点数の見直しといった運用を開始する考えだ。
現在、県の入札参加資格申請は本庁舎や県内11の土木事務所などで対面による審査を実施している。移動時間や待ち時間が発生する以外にも、書類に不備があった場合に再度やり取りをする必要があり、また新型コロナウイルス感染症のリスクもあるため、これらの課題解決に向けデジタル化を進める。将来的には電子入札システムの市町村との共同利用も視野に入れる。
土木分野のデジタル化に向けては、21年度に開始した「建設業デジタル化促進モデル事業費補助金」を22年度も継続する。21年度はICT未経験者を対象としたチャレンジ型17者、ICT経験者を対象としたステップアップ型6者にICT関連機器やソフトウエアの導入経費を支援した。22年度は地域防災力強化の観点から、各地域の小規模事業者やICT未経験者を優先し、18者程度に100万〜300万円の範囲で補助する。対象の建設会社には各地域で研修会や現場見学会の開催を求め、県内全域にICTを普及させる考えだ。
また21年度はドローンを活用した河川カルテを作成していたが、22年度は「グリーンレーザ」を活用した河川カルテを鏡川など4河川で作成する。土砂の堆積や樹木を立体的に把握することができ、土砂量や樹木の高さ・範囲が分かることで、早期に河床掘削を行うことが可能になる。
提供:建通新聞社