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北陸工業新聞社
2022/03/02

【福井】越前市×たけふ未来LLP/通年リースで除雪機械確保/除雪体制、災害対応力強化へ/発注者・受注者双方にメリット

 安定した除雪機械の確保を図るため、冬期間のみのレンタルから通年のリース契約へと変更を図ろうと、越前市が発注した「除雪機械賃貸借業務」。財政負担が変わらない一方、災害対応力や除雪体制の強化につながることが期待される、画期的な取り組みだ。
 その落札者に決まったのが、たけふ未来有限責任事業組合(山本達雄代表職務執行者)。同組合は越前市建設業会に加盟する木原 ササキ工業 関組 田中建設 谷口建設 南越建設工業 北信建設 港屋重機建設 山清建設 山田土木の10社で構成。
 今回の賃貸借の対象は9台で、期間は10月から2032年3月末まで。市は制限付き一般競争(総合評価)を採用し、冬期以外の活用などで提案を求めた。
 組合では災害で道路などが寸断された場合に備え、市内各地での分散保管を提案。また、災害時には母体である市建設業会とも連携し、オペレーターの手配を含め、迅速な対応が取れることなどをアピールしたという。
 冬期以外では、除雪機械のオペレーター育成に向け、今回契約した機械を活用した運転技術講習会の開催も想定。
 また、契約満了後には、低価格での再リースや売却が可能と提案。さらに、購入希望の除雪協力業者に安価で売却することで、民間も含めた市全体の除雪体制の強化にもつなげられるとしている。
 山本達雄代表は「講習に活用し、オペレーターを育てられることが大きい」と指摘。「災害対応など従来のレンタルでは不可能な提案。今回の取り組みは市、業界の双方にとって非常にメリットがある」と胸を張る。
 今回の入札でプレゼンを担当した山田秀毅業務委員長は、「我々は現在、福井県初となる長期契約で市内の全道路、91カ所の公園などのインフラメンテナンスなどを行っている。地域の安全安心を守るのが地域建設業の使命」と力を込める。
 県内で初、全国的にも珍しいのではないかと言われる、今回の賃貸借。今後の除雪機械の確保のあり方にも一石を投じることになりそうだ。

hokuriku