金沢市は、1日に開かれた市議会総務常任委員会で、今年度に実施した金沢歌劇座(下本多町)の建て替えにかかる技術的見地からの検討結果を報告した。移転候補地の一つとして検討を行った日本銀行金沢支店用地(香林坊)について、敷地が現在地に比べ狭いことから、現施設の1919席と同程度の客席数を確保することは困難との結果を示した。
日銀用地の検討では、地区の高さ規制が45メートルであり、機能強化に必要な舞台上部の高さ(約35メートル)の確保は可能とした。しかし一方で、敷地が約4700平方メートルで、現在地の約9300平方メートルより約4600平方メートルも小さいため、現施設ほどの客席数は難しく、さらに周囲の道路環境から機材搬入車両の動線確保にも課題があるとした。
現在地の検討では、舞台上部の工夫や地下25メートル〜30メートル程度の高深度掘削でも課題が残り、技術的に高さを抑えることは困難との結果を示した。現況(約21メートル)以上の建物高さでは、景観上の阻害要因になり得るとした。有識者への意見聴取でも、現在の高さ制限(18メートル)を超えることに対する指摘が多くあった。
市は検討結果を踏まえた課題について、各敷地における規制や面積などの条件のもと、実現可能な施設の機能や規模などを整理した上で、建て替えに関する議論を深めていくことが必要とした。