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建通新聞社(中部)
2022/03/02

【愛知】名市 沿道建築物耐震化 建替支援を創設

 名古屋市住宅都市局は、旧耐震基準の緊急輸送道路の沿道建築物と災害拠点病院(要安全確認計画記載建築物)の耐震化について、建て替えに対するインセンティブを2022年度に創設する。2月20日に長期優良住宅型の総合設計制度がスタートしており、インセンティブと合わせた活用で、保留床を確保した分譲マンションの建て替えも可能だ。これまで展開してきた耐震改修と除却工事に対する助成に加え、建て替え助成を開始することで耐震性が不十分な沿道建築物等の建て替えを総合的に支援していく方針。
 建て替え支援は▽建て替え設計に対する助成▽建て替え工事に対する利子補給▽容積率の緩和特例―の3点で構成。設計は建て替え設計費用の6分5、または1棟当たり500万円のいずれか低い金額。利子補給は、沿道建築物の建て替え工事費について融資を受ける場合に、工事期間中の利子全額。利子補給の上限は、従前建物規模×(住宅の場合は1平方b当たり20万円、非住宅の場合は同25万円)×(金利3%、期間20年間、元利均等返済)で算出した工事期間中の額。容積率の緩和は、総合設計を活用して建て替える場合に、倒壊して道路をふさぐ面積分を建て替え後の床面積に上乗せできる。
 要安全確認計画記載建築物のうち、20年度末時点で耐震性が不十分なのは279棟ある。このうち、現況建物の敷地面積が総合設計制度の敷地要件に適合するのは全体の45%に当たる124棟。敷地要件は、500平方bまたは300平方bで、用途地域と総合設計の一般型、マンション建て替え型・長期優良住宅型で異なる。このうち、分譲マンションは全体の24%に当たる66棟がマンション建て替え型の総合設計の対象になる。一般型は58棟(全体の21%)。ただ、沿道建築物の容積率の割り増しは、隣接する敷地との集約化・共同化で敷地要件を満たす場合も可能だ。
 1月5日時点の耐震性が不足する沿道建築物などは、8棟減り(除却7棟、改修1棟)、2棟追加(これまで未報告だった箇所)されているため、273棟となっている。また、3月1日時点で未報告は5棟ある。同局では、30年度までに沿道建築物の耐震化率を60%とする目標を設定している。棟数ではおおむね140棟にあたる。制度利用に際しては、同局耐震化支援室または建築指導課に事前に相談してほしいとしている。


提供:建通新聞社