米原市は、24日開会の定例市議会に上程した22年度当初予算案に、JR米原駅前での昨年5月の統合新庁舎開庁に伴い空き施設となった下多良3丁目の旧・米原庁舎および福祉施設、倉庫棟他関連施設計12棟を、3工区に分け解体する庁舎解体工事費1億7000万円を盛り込んだ。解体は主要な3棟を22年度の9月、11月、12月をメドにそれぞれ着工できるよう3工区に割り振り工事3件を順次発注。市で解体撤去をそれぞれ完了した跡地約1万0730平方bについては、住宅系の開発を目指し23年度半ばにも売却先となる民間事業者をプロポーザルで公募し、同年度末にも売却先を選定したい考えだ。
予算計上した庁舎解体工事費1億7000万円のうち1億2500万円は最終工区分で23年度へ繰り越す。予算が措置できれば22年度は当初分4500万円で小さい順から2施設を発注。まず最も小さい倉庫棟をメインとする第1工区を9月着工をメドに工事発注し、次いで福祉施設「げんきステーション」をメインとする第2工区を11月着工をメドに発注、いずれも22年度第4・四半期には工事を完了する計画。最も大きな施設「旧庁舎棟」はワクチン接種会場として使われる9月末まで維持し、備品の移転等を経て22年度第4・四半期にも23年度繰り越し予算1億2500万円で最終工区として旧庁舎棟をメインとする解体工事を発注・着工し、23年度半ばにも完了する。今後、解体を進めながら公募条件や要綱について精査し、23年度半ばにも売却先のプロポーザルを公告したい考え。
売却先を公募する敷地のメイン施設の米原庁舎(米原市下多良3丁目3番地)は昭和45年整備で築50年が経過し、平成9年の耐震診断で耐震安全性が低く倒壊・崩壊の危険性が指摘され、21年度に新庁舎や改修を行った山東庁舎へ備品等を移した後、米原庁舎はじめ大小計12棟の庁舎関連施設を、最終的には解体し全面撤去、約1万平方bの更地に整地する方針を決定。
合併による分庁舎方式から新庁舎整備と米原・近江・山東・伊吹の各分庁舎の今後の方向性を示した15年策定の「米原市庁舎等整備基本構想」では、新幹線と在来3線が停車する米原駅から約500bと近く第1種中高層住居専用地域となる住居系市街地に位置する旧米原庁舎敷地周辺は、「米原駅を中心とした滋賀県の玄関口にふさわしい魅力ある都市拠点」として「良好な居住環境の維持・改善に努める住居系市街地」に位置付けている。
庁舎の解体に係る設計は21年度、市が湖北設計(米原市)に委託し完了している。
対象建物各施設の概要は次の通り。
▽市役所庁舎1棟=昭和45年築、RC造2階建および塔屋、延2019平方b
▽保健施設「げんきステーション」1棟=S造平屋建、293平方b
▽倉庫3棟=S造平屋建、75平方bおよび66平方b、W造平屋建、13平方b
▽書庫3棟=いずれもS造平屋建、86平方bおよび66平方b、58平方b
▽車庫2棟=S造平屋建、226平方bおよび65平方b
▽自転車置場2棟=S造平屋建、46平方bおよび33平方b
提供:滋賀産業新聞