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建通新聞社(神奈川)
2022/02/25

【神奈川】三浦市 西南部 公共下水道でなく浄化槽へ

 三浦市は、公共下水道が未整備で今後整備する計画だった「西南部処理区」について、将来的な人口減少を踏まえ、合併処理浄化槽の設置へ方針転換する予定だ。2022年度当初予算案には、調査費や合併処理浄化槽への設置替えの補助金などとして1266万1000円を計上した。西南部処理区を対象とした「PFIによる汚水処理整備事業の導入可能性調査」を実施する計画。調査の結果、PFIによる合併処理浄化槽設置整備事業の効率性が確認された場合には、正式に方針を変えた上で、25年度の事業着手を目指す。
 西南部処理区の面積は736fで、区域人口は3万8160人。18年5月に策定した「西部処理区・南部処理区排水処理方針」では、西部処理区の検討区域を初声町下宮田、入江、和田を含む一団の市街化区域と設定。南部処理区の検討区域は、引橋交差点以南の一団の市街化区域とした。
 排水処理方法については、「公共下水道」「小規模集中処理」「個別合併処理浄化槽」「広域処理」―の4手法の中から、LCC(ライフサイクルコスト・建設費を耐用年数で割った額に維持管理費を加えた1年当たりの金額)を用いて比較検討した結果、「公共下水道」による処理が最も効率的であることが分かった。
 しかし、最近になってさらに人口の減少幅が大きくなってきたため、公共下水道の整備ではスケールメリットが発揮できないとして、合併処理浄化槽の設置に向け検討を進めることとした。市は現在、単独処理浄化槽や組み取り式便槽から合併処理浄化槽への設置替えを行う市民に対し、設置費用の一部を補助している。22年度に行う「PFIによる汚水処理整備事業の導入可能性調査」では、浄化槽の設置を市が補助した場合や、公共浄化槽として市が整備した場合の手間やコストなどを比較し、合併処理浄化槽設置整備事業にPFIを導入するか見極めたい考え。
 市の下水道事業は西南部処理区と東部処理区(370f・区域人口2万1670人)の2処理区で構成。東部処理区には公共下水道が整備されており、事業運営については、21年にコンセッション方式の導入に向け事業者を募集した。7月に優先交渉権者を決め、23年4月に事業を開始する。事業期間は43年3月までの20年間。 提供:建通新聞社