高知県は投資的経費に前年度比3・2%増の937億6900万円を確保する2022年度当初予算案を発表した。新型コロナウイルス感染症の影響を受けた地域経済を下支えするため、防災・減災対策などのインフラ整備を進める。このうち公共事業には1・8%増の507億4600万円を盛り込み、四国8の字ネットワークや浦戸湾三重防護などを加速する方針だ。
一般会計の総額は4・0%増の4820億5800万円を計上している。これは04年度以降では最大規模となり、積極的な予算を編成した。新型コロナウイルス感染症対策を着実に進めるとともに、「デジタル化」「グリーン化」「グローバル化」や中山間対策などを強化する。
インフラ整備に関しては、四国8の字ネットワーク整備、豪雨などに備えた河川の再度災害防止対策、防波堤や海岸堤防整備をはじめとする南海トラフ地震対策の取り組みを加速させる。合わせて中山間地域の道路整備など地域の実情を踏まえた対策を進めることをポイントに予算を編成した。
デジタル化に向けては、新規として「河川航空レーザ測深事業」に2600万円を計上する。航空レーザーにより作成した3次元図面を整備することで、効率的な河川の維持管理を推進する。また前年度に続き、建設業デジタル化促進モデル事業費補助金を設け、建設会社のICT関連機器の導入を支援する。
県立学校の施設整備では、清水高校の新校舎・体育館などの建設に向け工事費5億7558万円を計上し、債務負担行為として29億2354万円の限度額を設定する。県立中村中学校の新教室棟建設に向けては実施設計など委託料3302万円を盛り込む。
牧野植物園の再整備では、南園の実施設計と敷地造成、駐車場改修第2期工事などに1億3846万円を計上し、債務負担行為で6705万円の限度額を設定する。
M田省司知事は「県勢浮揚に必要な施策を着実に実行しつつ、今後の財政運営を見据えた予算を編成した。ウィズコロナ、アフターコロナをにらみ、新しい時代をリードするデジタル化やグリーン化を進化させたい」と今回の予算案についてのポイントを上げた。
予算案を審議する県議会2月定例会は22日に開会、3月23日までの会期で開かれる。
提供:建通新聞社