東近江市は21日、一般会計488億円、特別会計219億5600万円、企業会計89億6761万6千円からなる総額797億2361万6千円の22年度当初予算案を発表した。25日に開会する市議会3月定例会に上程する。
一般会計予算額は、前年度の当初予算が2月に市長選挙があったため骨格予算となり、政策的経費等を盛り込んだ6月補正後の予算と比較して5億9000万円(1・2%)の減。新型コロナウイルス感染症の影響が長期化している中にあっても、これまで進めてきた地方創生の取り組みや、多様性ある豊かな地域資源を最大限いかした施策を継続的に発展させる取り組みを遅滞なく推し進め、そのための施策の推進と財政の健全性の維持の両立を図り、強く豊かな東近江市の創生に向けた予算を編成した―としている。
6つの特別会計は前年度比3・6%(8億2650万円)減、3つの企業会計は0・2%(1712万7千円)増。一般会計を合わせた総額では、1・6%(13億0006万9千円)の減となっている。一般会計の普通建設事業費は19・5%(5億3531万3千円)減の22億1127万7千円。
また、同時に上程する21年度一般会計補正予算(第9号)案(総額13億2730万円の追加)には、公立認定こども園(ちどり幼児園)施設整備事業費3億9065万9千円、道路長寿命化対策事業費6590万円、道路新設改良事業費1億0562万7千円、街路事業費4億7948万7千円、湖東中学校武道場大規模改修事業費8882万円などが盛り込まれた。
当初予算の主な施策は、『働き住み続けたい活力ある東近江市の創生』で、「企業立地の促進と雇用の創出の実現」に向けて工場等立地促進奨励金2億5602万円や、「中心市街地のにぎわい創出と商工業の活気増進」のため商工業振興支援事業5030万9千円、「農林水産業の生産振興と高付加価値化の促進」に向けて農林水産創造・ネットワーク事業2560万円など。
『行きたい住みたい魅力ある東近江市の創生』では、新たに医療ツーリズムを加えた観光戦略推進事業、民泊推進事業、観光資源ブランド化推進事業で「市の魅力を発信し新しいひとの流れ」をつくり、お試し居住体験事業や移住推進イベントへの出展で「定住移住を促進」、「豊かな自然資源や奥深い歴史文化を活かした観光施策を推進」し、「暮らしに潤いをもたらす文化的環境を整える」とした。
『若い世代が希望をかなえる夢のある東近江市の創生』では、地域子育て支援拠点事業4287万6千円、認定こども園施設整備1450万円、学校施設整備5737万1千円、GIGAスクール構想の推進など。『誰もが安心して暮らせる豊かな東近江市の創生』では、近江鉄道沿線利用促進・利便性向上対策や、道路の整備に6億3483万9千円、(仮称)黒丸スマートIC設置推進事業3554万円、市営住宅整備1億0568万円―などを計上した。
東近江市の22年度当初予算案の主なものは次の通り(関係分のみ抜粋、( )内金額は前年度予算)。
◎働き住み続けたい活力ある東近江市の創生
▽工場等立地促進奨励金=2億5602万円(3億9096万円)
▽雇用促進奨励金=2910万円(2930万円)
▽八日市駅前市有地活用事業=2億4310万9千円(1308万3千円)
※市有地を活用し、官民連携により整備を進めている複合ビルの1階部分を購入、観光交流施設を設置すると同時に、駅前広場に観光バス乗降場や時間貸駐車場を整備する。
▽中心市街地にぎわい創出事業への支援=642万円(542万円)
▽中心市街地にぎわい創出事業補助金=1000万円(0円)
※令和3年度に寄附金を受けた企業版ふるさと納税を活用し、中心市街地での新規出店や起業を支援するため、延命新地内の古民家「SATSUKI―RO」の改修(レンタルキッチン、レンタルオフィス、チャレンジショップの設置)を行なう八日市まちづくり公社への補助。
▽中心市街地商業等空店舗再生支援事業補助金=900万円(900万円)
▽小規模事業者既存店舗リノベーション事業=250万円(250万円)
▽空店舗出店者支援事業=220万円(220万円)(家賃補助)
▽商工業振興支援事業=5030万9千円(5030万円9千円)
▽八日市商工会議所事務所等取得費補助金=1億2700万円(0円)
▽地域商品券事業=2438万9千円(0円)
▽市街地鳥獣対策事業=72万1千円
▽農林水産創造・ネットワーク事業=2560万円(2560万円)
▽水田野菜生産拡大推進事業補助=878万1千円(1764万8千円)
▽園芸特産作物生産振興事業補助=800万円(960万円)
▽農業次世代人材投資資金=1575万円(2325万円)
▽新規就農者経営発展支援事業補助金=627万6千円(0円)
▽森林の保全・管理=1880万3千円(1114万円)
▽鳥獣対策事業=3856万3千円(4521万3千円)
▽国営土地改良事業(東近江地区国営農地再編整備事業)=252万8千円(652万8千円)
▽県営土地改良事業=3768万9千円(5504万1千円)
※経営体育成基盤整備〔小脇地区17年度〜、尻無北部地区18年度〜、愛東外地区19年度〜、栗見出在家20年度〜、小倉地区21年度新規〕、水質保全対策〔白鳥川中流2期地区15年度〜〕、かんがい排水〔日野川地区15年度〜、湖東平野1期地区14年度〜、能登川地区18年度〜〕。
▽団体営土地改良事業=3045万円(3718万円)
※団体営土地改良事業支援〔農地耕作条件改善事業等〕。
▽中山間地域等直接支払交付金=2508万円(2508万円)
※中山間地域等において耕作放棄地の発生を防止するため、急傾斜地の農地を対象に集落へ支援。
▽農業農村多面的機能保全支援交付金=2億6158万1千円(2億6443万円)
※農業農村の有する多面的機能の維持・発揮を図るため、地域で実施される農用地・水路・農道・ため池の保全などを行う共同活動や老朽化が進む農業用水路等の施設の長寿命化に対する支援。
▽環境にやさしい暮らし普及促進奨励金=460万円(550万円)
※住宅用太陽光発電システム、コージェネレーションシステム、蓄電池システム、太陽熱温水器の普及促進。
◎行きたい住みたい魅力ある東近江市の創生
▽観光情報の発信=650万円(200万円)
▽医療ツーリズムの推進=300万円(0円)
▽民泊推進事業=500万円(500万円)
▽観光資源ブランド化推進=1087万8千(1898万7千円)
▽ふるさと寄附事業=2億5935万8千円(2億1297万4千円)
▽コンベンション等開催支援補助=140万円(140万円)
▽移住推進お試し居住体験事業委託=60万円(60万円)
▽移住推進イベントへの出展=31万7千円(31万7千円)
▽移住就業支援補助=200万円(200万円)
▽市民子育て住宅取得補助=2400万円(2600万円)
▽Uターン者住宅取得補助=600万円(600万円)
▽市民定住住宅リフォーム補助=1500万円(1500万円)
▽市民結婚新生活支援補助=300万円(300万円)
▽空家活用補助=200万円(0円)
▽観光イベント実施事業=922万円(652万円)(近江の聖徳太子魅力発見事業の実施のほか、イベント開催の支援とイベント誘致)
▽森里川湖つながり創生事業「びわ湖東近江SEA TO SUMMIT2022」の開催=506万円(506万円)
▽森里川湖エコツーリズム推進事業=500万円(300万円)
▽鈴鹿10座の整備促進=2050万4千円(164万1千円(トイレ等の整備)
▽森林づくり実践モデル林の整備=202万円(150万円)
▽(仮称)布引の森整備事業=2914万6千円(1億7522万3千円)
▽木地師のふるさと発信事業=876万3千円(458万6千円)
▽スポーツ施設整備=1億7462万円(1億0888万5千円)
※繖公園改修工事、湖東スタジアム改修工事、布引体育館・プール改修設計、伊庭内湖(国スポカヌー競技会場)浚渫設計)
▽森の文化情報発信施設の検討=1125万円(1785万円)
▽指定文化財保存修理防火事業補助=1120万円(351万円)
※瓦屋禅寺木造四天王立像保存修理、竜田神社拝殿保存修理、石馬寺防災設備整備等の支援。
▽文化財保存活用事業=361万円(371万円)
▽文化的景観保存事業=440万円(452万7千円)
※重要文化的景観に選定された伊庭集落の保存活用〔謹節館など3件の景観保存補助金〕。
▽伝統的建造物群保存事業=2562万3千円(2707万1千円)
※弘誓寺井戸屋形修理工事など6件の補助。
◎若い世代が希望をかなえる夢のある東近江市の創生
▽地域子育て支援拠点の充実=4287万6千円(4054万円)
▽認定こども園施設整備=1450万円(7663万6千円)(さくらんぼ幼児園改修工事実施設計)
▽学校施設整備=5737万1千円(4560万円)(布引小学校通級指導教室改修、箕作小学校・御園小学校・五個荘小学校体育館照明改修、能登川中学校体育館照明改修他)
▽GIGAスクール構想の推進=1億3307万5千円(1億5875万4千円)
◎誰もが安心して暮らせる豊かな東近江市の創生
▽近江鉄道沿線地域公共交通再生協議会負担金=1億4300万4千円(382万4千円)
▽道路の整備=6億3483万9千円(5億1748万6千円)(市道整備=能登川北部線、箕作山線、桜川石塔線他、街路整備=小今建部上中線〔聖徳工区〕、中学校線〔垣見工区〕他)
▽(仮称)黒丸スマートIC設置推進事業=3554万円(1444万3千円)(詳細な調査設計)
▽生活道路・水路等環境整備=3260万円(3200万円)
※自治会が施工する生活道路及び生活水路整備等に対する支援(生活道路環境整備補助13自治会、生活水路環境整備補助21自治会)。
▽急傾斜地崩壊対策=1000万円(3590万円)(愛東外町地先)
▽都市公園修繕費=1585万円(3525万円)(雪野山歴史公園トイレ他)
▽支え合い・にぎわいの拠点づくり補助金=500万円(500万円)(備品購入等支援)
▽ごみステーション設置補助=163万円(163万円)
▽道路・橋梁・トンネルの長寿命化=1億8260万円(1億0150万円)
▽市営住宅整備=1億0560万円(2億0617万2千円)
※市営ひばり丘団地大規模改修(第一期)工事(4号棟外壁・屋根改修、6号棟前駐車場舗装改修)。
▽住まい創生センターの運営=1351万2千円(1029万9千円)
▽特定空家等対策の推進=414万9千円(916万3千円)
▽空家等対策事業補助金=2200万円(2200万円)
※空家等を有効活用した地域活性化や老朽化の著しい空家等を解体して安心・安全なまちづくりを推進するため、空家等の活用や除却に対して補助する。空家等活用モデル事業補助金、特定空家等除却支援事業補助金、認定地縁団体向け空家等除却費補助金。
▽消防団員の処遇改善=6356万円(5849万円)
▽自主防災組織育成事業補助=420万円(700万円)(自主防災活動補助金、可搬式消防ポンプ購入補助金他)
▽消火栓設備購入補助=510万5千円(540万円)(自治会が行なう整備経費の一部補助)
▽ブロック塀等耐震対策事業補助=150万円(200万円)
▽交通安全施設整備=4150万円(4050万円)
▽地域医療連携推進法人負担金=30万円(0円)
▽診療施設等整備事業=3190万円(7億7740万円)(旧永源寺診療所の外構工事、駐車場整備)
▽病院改良事業=2億1028万円(1億2000万円)(市立能登川病院の給水設備改良工事)
▽高齢者福祉施設等基盤整備補助=8230万2千円(8230万2千円)(小規模多機能型居宅介護事業所、認知症対応型共同生活介護事業所)
提供:滋賀産業新聞