岐阜県は2月18日、2022年度当初予算案を発表した。建設予算が多く充てられる県土整備部など4部の予算額を見ると、県土整備部は7課中、建設政策課の予算が前年度より減額したものの、それ以外の6課が増額となり前年度比で3・1%増の657億1117万円となった。都市建築部は、10課中、都市整備課や水資源課など6課が減額したが、都市公園課など4課が増額となり同1・7%増の140億6210万円となった。
この他、農政部は11課中、家畜防疫対策課など5課が減額となり、同4・8%減の269億1503万円。林政部は5課中、治山課と県産材流通課が増額となり、同0・3%増の187億1901万円となった。
各部局の建設関連の主要事業を見ると、県土整備部では、建設業を支える人材の育成・確保として、魅力発信・入職支援に1195万円を付け、新たに業界未経験者の入職支援セミナーを開く。建設分野のDX推進では、業務効率化のためのシステム活用に8159万円を充て、国交省が開発する電子申請システムを使って建設業許可などの業務効率化を図る。
流域治水では、境川、水門川、津保川、白川、飛騨川などの河川改修と山田排水機場、中野方ダムなどの長寿命化対策を行う水害対策に110億8461万円、砂防施設を整備する土砂災害対策に29億4120万円を付ける。防災対策では、水害リスクマップの作成を新たに行う。
ダム建設事業では、新丸山ダムに8億1170万円、内ケ谷ダムに37億3479万円を付けた。災害に強い道路整備の推進では、道路拡幅や斜面対策、橋梁耐震に211億6486万円を充てる。
道路や河川、砂防施設の計画的な維持管理では、道路施設の舗装・橋梁・トンネル補修などに122億3207万円、河川・砂防施設に11億3247万円を付ける。通学路などの安全・安心整備は11億7519万円で進める。
東海環状自動車道西回り区間とインターチェンジアクセス道路の整備には98億5787万円を付ける。濃飛横断自動車道など幹線道路整備には240億7886万円を充てる。
都市建築部では、新たにデータを活用したまちづくりの推進に取り組むため、1230万円を付けた。名鉄高架化事業では、鉄道仮線整備の詳細設計や用地測量などに3億3000万円を充てる。都市計画道路整備などには16億6055万円を付ける。
市街地整備の支援としては、岐阜駅北中央東と西など4カ所の再開発事業に2億9547万円を助成する他、2カ所の土地区画整理事業に7095万円を助成する。
汚水処理の広域連携と集約化では、新たに県汚水処理施設整備構想の見直しを1000万円で行う。木曽川右岸流域下水道では、計画的な施設の更新や耐水化対策などに16億4500万円を充てる。
県営水道の大規模災害対策は、既存管路の複線化や老朽化対策などに24億1414万円を付けた。
都市公園の活性化は、魅力向上再整備や都市公園整備などに13億6894万円を充てる。リニア中央新幹線を活用した地域づくりには2億3773万円を付けた。
農政部では、ため池の耐震、豪雨対策や農道橋の耐震補強、洪水被害を軽減する田んぼダムの実証などに27億8504万円を充てる。
林政部では、山地防災力の維持・強化として市町村と連携した治山対策や山地災害危険地区の整備、治山施設の長寿命化などに24億1977万円を充てる。100年先を見据えた森林づくりの方向性と仕組み作りに40億3942万円を付けた。
これ以外の大型事業では、総務部の新県庁建設を見ると、23年1月の開庁に向けて建設工事を進めるとともに移転作業や什器の調達などを行うため、175億3585万円を充てる。教育委員会では、可茂特別支援学校の増築や老朽化した県立学校校舎の改築などに93億3636万円を付けている。
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建通新聞社