岐阜県は2月18日、ウィズコロナ・アフターコロナと未来を見据えた清流の国岐阜づくりに重点を置いた2022年度当初予算案を発表した。一般会計は過去最大の8869億円だが、コロナ関連予算を除いた規模で見ると前年度当初比0・5%減の8333億円で、2年連続の減額予算となる。建設関連では、県土整備部が同3・1%増の657億1100万円、都市建築部が同1・7%増の140億6200万円となり、農政部が同4・8%減の269億1500万円、林政部が同2・8%増の187億1900万円。
一般会計のうち投資的経費は同8・1%減の1400億0500万円(普通建設事業費1350億9000万円、災害復旧事業費49億1400万円)となっている。普通建設事業費のうち単独事業費は同6・4%増の583億8900万円、直轄事業負担金を含む補助事業費は同17%減の767億0100万円となった。特別会計は同4・7%増の3877億5600万円で、このうち公営企業会計が同2・7%減の201億円。一般会計と特別会計を合わせた予算総額は同2・7%増の1兆2746億8600万円となった。
岐阜県の22年度予算案では、3年目に入ったコロナ対策を「ウィズコロナからアフターコロナへ」と位置付け、県民の生命と暮らしを守る施策に全力で取り組むとともに、アフターコロナを見据えた施策を進める。これまで進めてきた清流の国ぎふづくりは、引き続き取り組みを強化する。
財政運営については、新県庁舎建設の事業費負担はピークを越えたが、コロナ対策による歳出増、社会保障関係経費の増加、老朽化した社会資本への対応など、県財政は厳しさを増すため、重要課題に財源を振り分けた未来創造、課題解決型の予算としている。
コロナ対応予算では、22年度に繰り越す3月補正分を合わせ、県民の生命と暮らしを守る「ウィズコロナ」関係に513億円、未来を創る「アフターコロナ」関係に157億円を付けた。
これらを踏まえ予算案の体系は「ウィズコロナ」「アフターコロナ」の他、「清流の国ぎふを支える人づくり」「健やかで安らかな地域づくり」「地域にあふれる魅力と活力づくり」を柱としている。
建設関連の主な新規事業を見ると、「ウィズコロナとアフターコロナ」関係は、デジタルトランスフォーメーション推進分野で、中小企業などのデジタル化支援として、人材確保や新ビジネス創出に向けた拠点整備などの支援を強化する。持続可能な社会づくりでは、住宅などへの太陽光発電設備設置やエネルギーの地産地消に向けた取り組みを行う。
「清流の国ぎふを支える人づくり」関係では、小水力発電施設を利用した環境教育、ぎふ木育の地域拠点施設整備、可茂特別支援学校校舎増築などを進める。
「健やかで安らかな地域づくり」関係では、保育環境改善に向けた保育所などの施設整備助成制度、医療機関の再編・統合に関する新病院整備助成制度を創設する。
「地域にあふれる魅力と活力づくり」関係では、ドローンやロボットを使った農業用用水路点検などの検証、森林サービス産業推進協議会(仮称)と非住宅建築物の木造化に関する非住宅建築相談センター(仮称)の設置、環境保全林内の皆伐・再造林の支援などに取り組む。
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建通新聞社