京都府の西脇隆俊知事は、15日開催の2月議会の一般質問(2日目)で、京都府建設職人基本計画の推進と建設キャリアアップシステム(CCUS)の活用について答えた。
西脇知事は「京都府では、建設職人基本法に基づく京都府建設職人基本計画を令和2年3月に策定し、工事現場の安全確保や建設工事従事者の処遇改善に取り組んでいる。基本計画を効果的に推進するため、京都府のほか、国、建設業や労働関係の団体から成る連絡会議を設置し、各団体が連携して工事現場の定期的な合同安全パトロールの実施や長時間労働の是正などの働き方改革応援セミナーの開催といった取組に加え、社会保険の加入促進に向けたリーフレットの配布やホームページでの周知など、広報・啓発にも力を入れてきた」「京都府としても、発注する工事において週休2日を前提とした工期の設定や繰越予算、債務負担行為を活用した施工時期の平準化など、働き方改革に努めるとともに、男女を問わず働きやすい建設現場の労働環境をテーマとした女性技術者による意見交換会を開催し、女性活躍のための環境づくりにも取り組んでいる」「今後とも新型コロナウイルス感染症拡大による建設業界への影響など、新たな問題についても連絡会議の場で議論することとしており、各団体と連携し、基本計画に掲げた施策をより一層進めていきたい」と取組状況などを述べた。
CCUSについては「建設工事従事者の処遇改善及び地位向上を図るため、(京都府建設職人)基本計画でもCCUSを活用・推進することとしている」「CCUSは、技能者の賃金アップなど、能力や経験の蓄積を反映した処遇改善につなげるため、資格や現場での就業履歴等を登録・蓄積する仕組みで、令和元年度から本格運用されている。しかし、京都府内でCCUSに登録している事業者及び技能者は、いずれも昨年末で2割程度にとどまってる」「京都府では導入促進のため、これまでから、技能者能力の見える化、現場管理事務の省力化などの導入のメリットを紹介するリーフレットの配布や、関係団体との意見交換の場での普及の要請を行ってきた。また総合評価型競争入札や工事成績評定において、CCUSの登録や活用の状況を評価する仕組みを導入し、今年4月から運用開始することとしている」「更に今後、国においては、社会保険の加入確認や建設業退職金共済制度との連携など、機能が強化される予定であり、確実な就業履歴の蓄積や現場管理の効率化といった効果が、より発揮されることが見込まれることから、京都府としても、こうした機能強化を含めたCCUSの活用範囲の拡大に努めていきたい」と述べCCUSの活用範囲の拡大にも触れ、「今後とも建設関係団体の意見も聞きながら、CCUSの活用が更に進むよう取り組むとともに、京都府建設職人基本計画に基づいて、実効性のある施策をより一層推進し、建設工事従事者の技術と経験に応じた賃金や地位の向上などの処遇改善につなげることで、地域の成長、発展や安心安全を支える建設業の担い手確保に全力を挙げて取り組んでいきたい」と考えを述べた。