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滋賀産業新聞
2022/02/17

【滋賀】彦根愛知犬上広域行政組合の2022年度当初予算

 彦根市・愛荘町・豊郷町・甲良町及び多賀町で組織する彦根愛知犬上広域行政組合(管理者=和田裕行・彦根市長)の組合議会定例会が14日に開催され、総額5億1478万7千円の2022年度一般会計当初予算が可決、成立した。
 2028年度末の完成を目標に業務を進めている「彦根愛知犬上地域新ごみ処理施設建設事業」については、20年度から実施している環境影響評価業務、21年度から実施している造成等実施設計業務に係る経費を引き続き計上することに併せて、新ごみ処理施設の事業者選定および契約事務を適正に行なうため、幅広い知識と経験、高度な専門能力を有する者の支援を受けるために新たに「発注者支援業務委託料」(歳出1397万円、債務負担金〔23〜24年度〕2592万7千円)を計上した。
 また、日夏投棄場の浸出水処理施設解体撤去工事費4290万円、中山投棄場の浸出水処理設備修繕工事費1221万円、斎場「紫雲苑」の経年による火葬炉設備修繕費902万円などを計上。
 一方、20年度から実施した中山投棄場の閉鎖対策工事の完了などにより、総額で前年度当初比1億4587万2千円の減額となっている。
 なお、彦根愛知犬上地域新ごみ処理施設建設事業は、19年10月21日に議会の承認を得て「彦根市西清崎町」(自治会名)を建設候補地に決定。まず、▽環境影響評価業務▽施設整備・造成等基本設計業務―を委託。施設整備・造成等基本設計業務は21年度9月に完了し、環境影響評価業務は23年(令和5年)9月30日までを委託期間として業務を推進。20年度当初予算で新たに計上した用地測量業務は同年度末に業務を完了。21年度当初予算で新たに計上した造成等実施設計は22年半ばまで実施中となっている。
 その後の予定は、環境影響評価や都市計画など許認可手続きを経て、23年度中に造成工事に着手。施設整備については、事業者選定を22年度(令和4年度)半ばからおよそ2年かけて行ない、24年度(令和6年度)半ばに決定。施設整備実施設計〜施設建設工事を28年度(令和10年度)末の完成を目途に行ない、試運転を経て29年度(令和11年度)中の新施設供用開始を目指している。
 整備する新ごみ処理施設は、▽安全・安心・安定的な処理ができる▽環境への負荷が少ない▽資源循環・エネルギー回収に優れ▽経済性に優れ▽災害に強い▽社会情勢等への変化に柔軟に対応できる施設―を基本理念に、▼可燃ごみを燃やしエネルギーを回収する「熱回収施設」(144〜147d/日)と▼粗大ごみや不燃ごみ・資源ごみを処理する「リサイクル施設」(31〜35d/日)―を整備する。熱回収施設の処理方式は、他都市での採用実績が最も多い「ストーカ式焼却方式」。
 概算事業費(事業方式が未決定のため、公設で維持管理と運転を単年度委託と仮定した「直営方式」による)は、熱回収施設整備費が約147億円、リサイクル施設整備費が50〜54億円で、維持管理・運営費(20年間)を含めた合計は341〜351億円と算出。直営方式以外の事業方式における概算事業費は、今後の「事業方式検討」を踏まえ算出するとしている。
 組合を構成する圏域の現在の可燃ごみ処理施設は、彦根市清掃センター(昭和52年稼働)と彦根市以外4町が利用するリバースセンター(平成9年稼働)の2施設があるが、いずれも老朽化が進んでおり、新ごみ処理の建設は喫緊の課題となっている。

提供:滋賀産業新聞