建設新聞社
2022/02/15
【東北・宮城】三菱地所Gが優先交渉権/仙台市泉区役所建替事業で選定委が答申
仙台市が取り組む泉区役所建て替え事業の公募型プロポーザルについて、事業者選定委員会(増田聡委員長)は、三菱地所を代表企業とする「仙台市泉中央駅前まちづくり推進コンソーシアム」を優先交渉権者に選定した審査結果を、14日に郡和子仙台市長へ答申した。市は今後、答申内容を踏まえて検討し、早ければ16日にも事業予定者を決定する。
コンソーシアムの構成企業は三菱地所のほか▽三菱地所設計▽清水建設▽阿部建設▽東北労働金庫▽山一地所▽三菱地所プロパティマネジメント▽三菱地所パークス−。
審査の結果、250点満点中175・55点を獲得し第1位となった。
次点は住友商事グループ(代表企業:住友商事、構成企業:山下設計、アサヒ建築設計事務所、鹿島、熊谷組、深松組、復建技術コンサルタント、住商アーバン開発、同和興業、鹿島建物総合管理)。プロポーザルには3者が参加した。
既存施設の老朽化などに伴い立案したもので、泉中央地区の活性化にも資する民間施設整備との一体的な事業として、事業者募集を行った。
三菱地所グループの提案は「楽し 頼もし コモン〜育成と更新を続ける『新しい杜の都/泉中央地区・泉区』」をコンセプトに設定。
区役所敷地内の南西側に新区役所を配置し、仙台市営地下鉄南北線・泉中央駅の地下通路を直結する。
敷地東側には東北労働金庫の店舗と本部機能の一部を移転した施設と、300戸程度の交流型賃貸住居施設を整備する。
また敷地中心部にはにぎわいの核となる広場を設け、周辺に集客・飲食機能を配置。
パークアンドライド駐車場・一般来庁者駐車場のほか、お迎え駐車場、周辺の民間送迎バス用の待機所も設けることで、交通環境の改善を図る。
講評によると、周辺施設に配慮した配置計画や、泉中央駅との結節による利便性向上、執務空間のフレキシビリティ性の高さ、学生や若い社会人をターゲットとした賃貸住居を高く評価した。
一方で、にぎわい創出や送迎バスなどの敷地内流入による安全確保に工夫を求めた。
答申後、増田委員長は「区役所の利便性と働きやすさを最大のポイントに、泉中央の活性化などを踏まえ審査した。この事業が区役所のみならず地域のこれからを見直すきっかけになれば」と期待を寄せた。
郡市長は「市民の関心が高い事業を審査いただき、感謝している。泉区の中心部まちづくりの核となり、利便性やにぎわい創出に資する場になるよう検討する」と話した。
提供:建設新聞社