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建設経済新聞社
2022/02/14

【京都】令和4年度当初予算案 一般会計は9203億6500万円 普通建設事業費は7・7%増

 京都市は10日、総額1兆7969億6400万円(前年度比4・8%減)の令和4年度当初予算案を発表した。513億5200万円規模の令和3年度2月補正予算案と一体的に編成した。
 一般会計は9203億6500万円(同8・0%減)。普通建設事業費は641億2376万5000円(同7・7%増)、災害復旧費は14億6000万円(同9・1%減)で、合わせた投資的経費は655億8376万5000円(同7・3%増)。
 特別会計は11会計全体で6114億7900万円(同2・2%減)。主なものは中央卸売市場第一市場が50億8800万円(同13・7%増)、中央卸売市場第二市場・と畜場が15億2100万円(同12・3%増)、農業集落排水が1億2300万円(同75・7%増)、土地区画整理が3億0800万円(同46・0%増)、土地取得が51億6900万円(同14・9%減)など。
 公営企業会計は4会計全体で2651億2000万円(同1・3%増)。水道事業が726億3300万円(同9・1%増)、公共下水道事業が952億6000万円(同4・3%増)、自動車運送事業(市バス)が259億9800万円(同3・7%減)、高速鉄道事業(地下鉄)が712億2900万円(同7・3%減)となっている。
 京都市交通局の令和4年度交通事業の予算概要によると、自動車運送事業会計(市バス)の資本的収支の建設改良費は20億5600万円(同17・9%減)、高速鉄道事業会計(地下鉄)の資本的収支の建設改良費(割賦購入費除く)は103億7900万円(同5・0%増)。
 交通局は、令和4年度は、大幅な減収を見込まざるを得ない厳しい状況の中、令和3年度に引き続き、緊縮予算を編成。市バス・地下鉄事業ともに大幅な赤字となる。市バス・地下鉄運行の見直しや設備更新計画の見直し等「市バス・地下鉄事業経営ビジョン(改訂版)案」を踏まえた経営健全化策を実施する。
 市バスではバス車両更新費用の抑制やバス停上屋等の新規整備の延期などを進め、地下鉄では駅有人改札業務の見直し(有人改札口のリモート化)、改集札機の更新台数の見直し等の経費削減を行う。
 一方、新規で烏丸線新型車両への車内防犯カメラの設置を令和4年度に3編成、令和5〜7年度の各年度に2編成で進める。
 北大路駅への可動式ホーム柵設置を進め、令和4年度の供用開始を予定。
 駅出入口への止水板設置による浸水対策の強化では、醍醐駅・太秦天神川駅で設計、烏丸御池駅・四条駅・五条駅で工事を進める。
 省エネ対策の実施、駅舎等照明のLED化の推進では、烏丸御池駅・蹴上駅で設計、松ヶ崎駅・三条京阪駅・二条駅・烏丸線トンネルで工事を進める。
 京都市上下水道局の令和4年度水道事業・公共下水道事業の予算概要によると、水道事業特別会計の資本的支出の建設改良費は239億4100万円(同14・6%増)、公共下水道事業特別会計の資本的支出の建設改良費は229億2900万円(同18・3%増)。
 上下水道局の主な建設事業をみると、最適な浄水処理の推進(高機能な粉末活性炭注入設備の設置)に1億円を計上。令和4年度は、蹴上浄水場粉末活性炭注入設備設置工事に着手する。
 水道施設の改築更新・地震対策に42億4000万円を計上。令和4年度は、新山科浄水場導水トンネル築造工事、低区3・4号配水池耐震化工事等を継続実施する。
 水道管路の改築更新・地震対策に149億8000万円を計上。老朽化した水道管路の更新を継続(約58q、更新率1・5%)し、更新時には耐震性・耐久性に優れる管材料を使用し耐震化を図る。また給水のバックアップ機能を強化するため、隣接する給水区域間をつなぐ連絡幹線配水管の布設を引き続き実施する。
 なお水道整備事業に係る工事費用を積算する際に用いる厚生労働省の積算基準が大幅に見直され(令和2年度)、予定工事価格がプラン策定時の基準(平成28年度)と比較して、平均約2〜3割上昇することにより、事業費全体が増加(令和4年度プラン173億円→予算193億円)することとなった。
 下水道管路の改築更新・地震対策に26億7000万円を計上。令和4年度は、引き続き約33qの下水道管路について、改築更新・地震対策を進める。
 下水処理施設の改築更新・地震対策に46億8000万円を計上。令和4年度は、鳥羽水環境保全センター消毒施設改築更新工事、流動炉延命化工事及び伏見水環境保全センター分流系最初ちんでん池改築更新工事等を継続する。
 水環境対策(合流式下水道の改善)に22億5000万円を計上。令和4年度は、津知橋幹線、鳥羽水環境保全センター雨水滞水池工事等を継続する。
 浸水対策の推進に43億6000万円を計上。令和4年度は、市内中心部における広範囲の浸水安全度を向上させるための鳥羽第3導水きょ(令和9年度完成予定)や、烏丸丸太町周辺地区の浸水対策としての烏丸丸太町幹線(令和6年度完成予定)等の整備を継続実施する。
 南北2ヵ所の事業・防災拠点の実現に69億7000万円を計上。南部エリアの事業・防災拠点について、令和4年4月に竣工し、5月から南北2ヵ所の事業・防災拠点として新たな体制を構築。上下水道局本庁舎を含む市内南部エリアを所管する水道・下水道の事業所を集約することにより、災害・事故への迅速な対応やサービスの向上に加え、庁舎等のライフサイクルコストの縮減や集約後の施設の有効活用を図る。
 防災・減災のための装備等の強化に3億5000万円を計上。災害時に給水車を効果的に活用し、市民に飲料水を供給するため、仮設給水槽を拡充し、応急給水体制を充実させるとともに、災害用マンホールトイレの整備を引き続き実施する。
 未来の上下水道事業につながる調査・研究の実施に5900万円を計上。下水道管の改築更新の推進を図るため、高画質カメラを活用した管内調査の効率化についての調査研究を実施。また将来的な上下水道管路施設の更新需要の増大に備え、施設マネジメントを見直し、新たな更新需要・費用の予測手法を用いた更なる事業費の平準化について検討する。
 広域化・広域連携については、府内自治体との共同研修や防災訓練、水道水の水質検査の受託等の取組を実施。また「水道広域化推進プラン」(水道事業)、「広域化・共同化計画」(下水道事業)の令和4年度末までの策定に向け、引き続き推進役である京都府等との意見交換を行いながら実現可能な取組を検討する。
 琵琶湖疏水の魅力発信(琵琶湖疏水通船、日本遺産・文化観光推進法関連事業)に3億5000万円を計上。琵琶湖疏水通船事業を引き続き支援するとともに、日本遺産及び文化観光推進法に関連する事業を進める。大津閘門の改修をはじめ、疏水沿線の道標整備やウォーキングマップの作成に取り組むほか、琵琶湖疏水記念館において、蹴上・岡崎エリアにおける文化・観光拠点としての整備を推進し、賑わい空間の創出を図る。
 創エネルギー対策(大規模太陽光発電事業、下水汚泥固形燃料化)で1億5000万円の収入を見込む。浄水場及び水環境保全センターに設置している大規模太陽光発電設備により、再生可能エネルギーの継続的な利用を図る。鳥羽水環境保全センター下水汚泥固形燃料化施設により、下水汚泥の有効利用を促進する。
 民間活力の導入(伏見水環境保全センター運転監視業務)に1億3000万円を計上。令和4年度から伏見水環境保全センターにおける業務委託の範囲を拡大し、運転監視業務について委託を開始する。
 保有資産の有効活用で6億3000万円の収入を見込む。令和4年度は、引き続き、山ノ内浄水場跡地等の貸付を実施するほか、新たに南部拠点資産活用スペースの貸付を開始する。
 また「らくなん進都」内の工業地域に位置する元資器材・防災センター西側用地について、産業観光局が所管する元創業支援工場用地と一体的に活用を図る。
 建設関連事業の主な内容は次号掲載。