建通新聞社(神奈川)
2022/02/14
【神奈川】21年度総合評価工事 特簡U5割で活用
神奈川県県土整備局は、総合評価方式を適用した建設工事の一般競争入札について、2021年度(12月31日時点で開札済みの集計)の実施状況をまとめた。総合評価方式で開札済みの34件のうち、21年度に新設した「特別簡易型(U)」を活用したのは17件で、全体の5割を占めた。また、最低入札金額以外の参加者が落札した「逆転落札」は全体の62%だった。4日に開いた総合評価審査委員会(委員長・勝地弘横浜国立大学教授)で明らかにした。
総合評価方式で開札済み工事の設計金額別の件数は、3000万円以上1億円未満が16件、1億円以上6億円未満が17件、6億円以上が1件。1億円未満の件数が20年度より10件増えた。タイプ別では、簡易型が1件、特別簡易型(T)が16件、特別簡易型(U)が17件だった。県土整備局は、特別簡易型(U)の新設で、これまで総合評価の適用が少なかった1億円未満の工事にも総合評価が多く活用されたとしている。
〜企業の技術的能力 必須項目の加点7割越え〜
入札参加者が加点を受けた評価項目を見ると、企業の技術的能力(必須項目)は、「過去の同種工事の施工実績」で71・6%、「過去3年間の工事成績評定点の平均点」で76・3%の企業が加点を受けている。「優良工事等表彰等の受賞実績」で加点を受けた企業は全体の75%。
選択項目では「地域精通度」が50%、「ISO9001の認証取得」は、86・1%となった。
〜週休2日履行実績 加点企業は7割〜
20年4月に試行を開始した「週休2日制確保モデル工事の履行実績」による加点企業は、20年度(48・8%)に比べ、20・2ポイントアップし、69%となった。県土整備局は、建設業の働き方改革の推進と週休2日の促進に必要な評価項目との所見を示している。
配置予定技術者の技術的能力に関する評価項目(必須項目)については、「過去の同種工事の施工実績」で53・3%、「過去3年間の工事成績評定実績」で48・5%の企業が加点を受けている。
選択項目では、「取得資格」で72・6%、「CPD実績」で49・4%、「若手技術者・担い手の育成実績」で3%が加点を受けた。
また、企業の社会性・信頼性への評価で加点を受けた企業の割合は、「災害時等の地域貢献」が85・2%、「建設業労働災害防止協会への加入」が100%、「登録基幹技能者の配置」が88・9%。「新卒者(技術職)の雇用実績」は30%にとどまっている。 提供:建通新聞社