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　（株）関組（越前市粟田部町６―２６　渥美宣夫代表取締役）は、トイレットペーパー用の「ロールペーパーホルダ」で特許を取得した。ペーパーをカットすると、バネと磁石の働きにより、次の使用時にも取り出しやすいよう、自動でペーパーを整えるなど、使い勝手を改善する考案だ。
　特許番号は第７００２８０２号で、１月５日に登録。同社の酒井秀世常務取締役が発明した。
　通常、トイレットペーパーをカットすると、切断部とカッターの先端が揃ってしまい、次回の使用時には、自らの手でロールペーパーを回転させ、切り口を探すことになりがち。常務自身も常々煩わしさを感じており、改善策を探るなかで発明に至った。
　この特許技術では、ペーパーを引っ張ると同時にカッターのついたヘッドが引き出され、ヘッドの裏側に取り付けた駒がペーパー自体を反らせて、掴みやすい状態を維持。その後、カットと同時に、引きバネの作用でヘッドは元の位置に戻り、ペーパーはヘッドから２センチほど飛び出し、ロールからも浮いた状態にセットされるという。
　また、ヘッド後部のカバー部に関節を設けることにより、使用に伴ってロールのサイズが徐々に縮小していった場合でも確実に対応する。
　今回の考案は使い勝手の改善に加え、切り口を探してロールペーパーを触る必要がなくなるなど、衛生面でも効果を発揮。コロナ禍で人々の衛生意識が高まるなか、関係者の注目を集めることになりそうだ。
　酒井常務は、「バネと磁石を使ったシンプルな構造。この技術が世に出れば、高齢者や障害をお持ちの方々にとっても使いやすいものになる」と指摘。今後、メーカーに製品化を提案し、この発明で広く社会に貢献したいと話している。