元請現場の6割が労働安全衛生法違反―。熊本労働局が12月1日から28日まで実施した建設工事現場への年末一斉監督指導の結果をまとめたもので、死亡災害に繋がりやすい墜落・転落防止措置違反が最も多かった。
県内6労働基準監督署が124現場に立ち入り、60・5%の75現場で法違反を確認し是正勧告した。違反事項数は152件(協力業者含む)で、「足場等からの墜落・転落防止措置違反」が61件と40・1%を占め、次いで「建設機械等の安全確保措置違反」が25件、「安全管理体制の不備違反」と「安全通路の有効保持違反」が各9件、「型枠支保工に関する違反」が6件だった。足場などで墜落・転落の危険性が特に高いと認められた12現場に対しては足場等の使用停止等命令を行った。
工事別の違反率は、建築67・5%(80現場中54現場)、土木47・7%(44現場中21現場)。建築現場での違反率が高く、違反件数は、建築で「足場等からの墜落・転落防止措置違反」が違反総数の46・5%、土木で「建設機械等の安全確保措置違反」が違反総数の65・2%を占めた。
建設業における2021年の休業4日以上(死亡含む)の労働災害は、1月11日時点で259件と前年より28件(9・8%)減少。死亡も3人と前年の6人から半減しているものの、全産業9人の三分の一が建設業と、重篤災害が懸念される業種となっている。
労働基準部では年末集中監督指導で、死亡・重篤災害の原因となりうる「墜落防止措置」違反が多くを占めたことから、引き続き現場への監督指導を厳正に行うとともに、リスク低減に向けた指導を継続して実施する。
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