新潟県交通政策局は3日、新潟市、有識者らとつくる新潟空港将来ビジョン検討協議会の初会合を新潟市中央区の自治会館で開いた。
コンセッション導入議論など、新潟空港を取り巻く新たな動きの具体化を受け、地元にとって望ましい空港のあり方とその実現に向けた道筋を議論するもの。官民連携で「選ばれる新潟」を目指した新たな絵姿を示す。
冒頭、花角英世知事は、空港運営がコロナ禍で厳しい状況にあることなどを述べた上で、「官民挙げて『オール新潟』で新潟空港の活力ある将来の姿をどう描いていくか、皆さんと一緒に知恵を出しながら考えていきたい」とあいさつした。
その後、非公開での会議に移り、新潟空港の現状と課題について認識を共有した。施設整備では、滑走路端安全区域(RESA)整備について、B滑走路が2022年度までに完了する予定で実施されていることなどを説明。課題には着手期限が26年度中となるA滑走路のRESA整備を挙げ、航空機の安全な運航のため、できるだけ早期の着手が望ましいとした。また、A滑走路の活用対応、除雪体制強化結果の確認も課題とした。
コンセッション導入に関しては、国土交通省が21年11月に示した資産調査の結果から、(1)3事業合算収支の赤字・混合型(民間による運用開始後も一定の公的負担が受けられる仕組み)の検討(2)ビル会社の財務状況(債務が事業価値に対して過大)(3)A滑走路の取扱い(廃止の可否の検討)−の3項目の課題を抽出。これらを踏まえ、地元として意向を取りまとめることが必要だとした。
このほか、旅客や貨物の利用状況、今年予定されている地域航空会社「トキエア」の就航などについても課題への認識を共有した。
今後は5月ごろに素案を提示、8月ごろに協議会案を取りまとめ、9月定例会で議会報告、11月ごろにパブリックコメント反映後の最終案を確認し、公表となる。