金沢市は、新しい交通システムの導入に向けた検討で、現在、導入機種の選定に向けた課題の整理を鋭意進めている。コロナ禍で利用者が減った公共交通の回復や交通まちづくりの全体像を議論しながら、まずはその方向性についてまとめたい考えだ。
同市の新交通システムの導入ルートは、金沢港から金沢駅、中心市街地の香林坊を通り、北陸鉄道石川線終点の野町駅を経由し、多くのバス路線が通る有松方面までを検討。導入機種は中央走行方式のLRT(次世代型路面電車)、同方式または路側走行方式のBRT(バス高速輸送システム)を想定している。
市は今年度、専門家と交通事業者、関係行政機関で組織する検討委員会を立ち上げ、導入に向けた検討に着手。まずはコロナ禍における移動需要の激減を踏まえ、公共交通の持続可能性を確保するための短期的な方向性をまとめた。
引き続き中長期的な方向性として、まちづくりの視点を重視し、新交通システムと北陸鉄道石川線の需要拡大策を一体的に検討。その上で、LRTまたはBRTとする導入機種の方向性も決めていくとしている。
導入機種に関しては、今後の検討委員会で、まちづくりや市民生活、交通機能、概算事業費、費用対効果などの観点から総合評価する方針だ。