千葉市は、特別史跡加曽利貝塚新博物館の整備にDBO方式を導入する。2022年度に事業実施に向けたアドバイザリー業務を公募型プロポーザルにより委託し、2か年にわたって技術的支援を受ける方針。また、22年度内にサウンディング型市場調査を行うほか、要求水準書の作成に着手。23年度に公募型プロポーザルで事業者を選定する予定。24年度に着工し、27年度の開館を目指す。建築設計・工事費、展示設計・製作設置費などを含む概算整備事業費は約50億円。
2日には「特別史跡加曽利貝塚新博物館基本計画」を策定した。
貝塚を中心とする縄文文化の研究とその成果を発信する拠点として、史跡のガイダンス機能等を備えた新たな博物館を整備する。
建設地は、若葉区小倉町937―7ほかの小倉浄化センター跡地およびその周辺の民有地約2ha。施設規模については、延べ床面積4800u程度を想定している。
新博物館の基本方針として「生きている縄文 学び、体験し、考える―それは未来への道しるべ―」を掲げている。
施設整備の方針は▽特別史跡加曽利貝塚との連続性の確保▽登録博物館や公開承認施設の基準に適合する施設整備▽SDGsに沿った施設整備と災害への対応▽出会いや地域交流の場としての機能拡充▽博物館へのアクセスの拡充。
諸室の構成は▽収集・保存=出土資料収蔵庫、写真図面収蔵庫、特別収蔵庫・前室、一時保管庫・前室、搬入口・トラックヤード・荷解き室、作業室・倉庫▽調査・研究=研究室、ミーティングルーム、図書室、収蔵資料整理室、発掘資料整理室、分析研究室、保存研究室、撮影室▽展示=加曽利ラボ(探究型展示)、縄文体験空間(没入型展示)、未来ラウンジ(対話型展示)、企画展示室、コレクション展示室、展示ロビー(導入展示)、展示準備室・備品倉庫▽教育・普及=体験学習室、講堂、活動ルーム、レファレンスルーム、図書室、土器づくり工房(別棟)▽史跡ガイダンス=史跡・コアエリアのガイダンス、映像ルーム、展望スペース(屋外)▽利用者サービス(別棟)=レストランなどの飲食スペース、ミュージアムショップ、キッズコーナー▽管理=館長室・応接室、事務室、会議室、スタッフ室、ガイド待機ルーム、警備員室、その他(湯沸し室、更衣室、倉庫など)▽共用、電気・機械=エントランスホール・受付、倉庫・資材室、その他(廊下、階段、エレベーターなど)、機械室。
新博物館の運営方式については、調査・研究を中心に直営を維持するほか、増加する業務の効率化とサービスの向上を目指し▽貴重な資産の保全・継承、活用に向けた持続性や専門性の確保▽公益的視点に立った連携体制の確保▽市の施策との連動――の条件を踏まえ、包括的な民間委託などの導入を検討。
また、レストラン等の飲食スペースなどの利用者サービスについて、民間活力を導入する。具体的には、22年度に公表する要求水準書で示す予定だ。