小柳建設(三条市東三条1丁目21番5号 小柳卓蔵代表取締役社長)は、降雪量に大きく左右されていた除雪費の予算管理を容易にする、サブスクリプション(定額課金)の除雪サービスの試験運用を開始した。
2021年12月から加茂市内の企業を対象に始めたもので、従来の作業時間単位だった料金を定額にすることによって、受発注者双方が作業の平準化のほか、さらなる働き方の改善につながることが期待される。
従来は、官庁や民間企業から除雪依頼を受け、実際に稼働した時間に応じて料金を請求していたが、このサービスにより予算管理が容易になるだけではなく、除雪が必要か判断に迷う場合でも気軽に依頼できるというメリットがある。また、少雪の場合にも固定費をまかなう収入を確保できる。その一方で、大雪で除雪回数が増えれば燃料など変動費が大きく増え、収益を圧迫する懸念があるという。リースも含めて除雪ドーザーなど20台以上の設備を揃え、整備を含め年間約1000万円の固定費がかかる。
試験運用を踏まえ、22年度の冬期には事業モデルの確立を目指す。加茂市内に限定せず、市外も検討していくものの、官庁との関係性もあることから、具体的な範囲は今後の検討材料と言える。
同社では、「実際に顧客から予算管理がしづらいという声があった。工事駐車場の区画線や、アスファルト修繕などのサービス展開も検討している」とコメント。
県道路建設課によると、「除雪費の定額制というのは聞いたことがない。地域外の作業については災害時や除雪機器の不足等で応援することはあるが特例」としている。