糸魚川市が2021年5月に発生した官製談合事件を受け設置した糸魚川市官製談合再発防止対策委員会(委員長・沢田克己新潟大学法学部教授)は1月31日、再発防止に向けた制度見直しなどを盛り込んだ提言書をまとめ、米田徹市長に提出した。市は22年度からの新制度導入を目指し、協議を行う。
内容をみると、入札・契約制度については、入札が不調とならないよう予定価格を事前に教示していたため競争原理が働かず、落札率が高水準(16〜20年度で97・3%)に達したことを指摘。入札制度の見直しと合わせて不調対策を講じ、職員の意識を改革していく必要があるとした。
再発防止への提言では、制限付き一般競争入札において、地域事情を踏まえた上で、業者数を増やして競争性を高めるために地域要件などの制限を緩和することや、不正に対する抑止力強化を狙っての指名停止期間延長(現行基準は2カ月以上12カ月以内)、入札監視委員会の設置、予定価格を事前公表しないことなどを求めた。
また、職員倫理についても、新たな「コンプライアンス行動指針」の策定とともに、意識改革の必要性を訴え、コンプライアンス推進体制構築などを盛り込んでいる。