日本工業経済新聞社(群馬)
2022/02/02
【群馬】吉岡町が渋川広域の最終処分場整備へ
渋川地区広域市町村圏振興整備組合が計画している次期最終処分場整備について、建設候補地の選定作業を吉岡町が進めている。年度内の決定を目指していたが、現状では遅れが生じている。月内に行う地元説明会で進捗状況を説明。年度内の第4回選定委員会で今後のスケジュールを示す考え。決定後は組合による基本構想策定に移る。また、町が組合に対して提出した要望書への回答により、施設形態は被覆型、水処理方式を無法流式を基本とする方針が明らかとなった。
同組合は、渋川市と吉岡町、榛東村の3自治体で構成される。各市町村の廃棄物は、渋川地区広域圏清掃センター(渋川市行幸田3153−2)の焼却処理と、エコ小野上処理場(渋川市小野上3665)による埋め立て処理を行っている状況。小野上処理場の埋め立て完了時期が2029年度に迫っていることを受け、新施設を整備する方向で候補地の選定を進めている。自治体間の協定により、次期最終処分場の候補地選定は吉岡町が担当する。
町は候補地選定委員会を設置、年度内の完了を目指して選定作業に取り組んできた。第2回選定委員会で、県立地基準を満たす建設可能地域として5カ所を抽出した。
第2回委員会の後には、町が組合に対して3つの項目を盛り込んだ要望書を提出。内容は◇施設形態を被覆型・クローズド型、水処理方式を無法流式とすること◇高度な技術の導入も念頭に、より安全・安心を最優先とした施設とすること◇施設・周辺整備・跡地利用に関して、地元自治会などの要望を可能な限り、最大限尊重すること−。組合はいずれの項目も承諾する旨の回答書を町に提出している。
12月に開催された第3回委員会においては、現地状況を整理。各候補地の面積を◇上野田地内=38・47ha◇北下地内=3・6ha◇自害沢周辺9・84ha◇下野田地内=0・58ha◇漆原地内=0・17ha、0・05ha−とした。
月内に住民を対象とした説明会を開催。これまでの経緯と状況を共有する。候補地決定までのスケジュールについては、組合を協議に加えたことなどが影響し、当初の想定から遅れている。年度内開催を予定する次期委員会で修正したスケジュールを示す。
候補地選定後は、地元説明を継続するとともに、基本構想の策定に着手。策定作業は組合が主体となって行う。概略構想によると、施設規模が敷地面積約2万5000u、埋立容量7万立方m、事業費は約44億円。被覆施設はS造平屋、床面積7000uとしている。26年度までに実施設計をまとめ、27年度から3カ年の施工を掲げる。