新たな県総合体育館基本構想の策定に向け1月31日、鹿児島市のマリンパレスかごしまで第8回検討委員会が開かれた。施設規模の延床面積は3万u程度、施設整備費は約205〜約245億円を試算。2022年度はPFI手法等導入検討と地盤調査を行い、従来型手法の場合で27年度、PPP/PFI手法では28年度の完成を想定していることを明らかにした。
建設候補地は本港区エリアでドルフィンポート跡地(3万855u)に景観・眺望に配慮して南側に寄せて、メインとサブのアリーナ等を一体的に配置。施設は4階建てで、高さは25〜30m程度が見込まれ、住吉町15番街区(2万4800u)は駐車場(一般約500台、バス約50台、バス転回場)として活用する。
必要規模をみると、アリーナのうちメインは3726u以上と観客席の最大収容人数が8000席程度、サブが1564u以上と観客数は500席程度、柔剣道場841u以上、弓道場は近的12人立が875u程度、遠的6人立は852u程度。諸室等は5355uを見込み延床面積は3万u。
施設整備費は、今後の労務・資材単価の上昇や工法等が確定していないことから幅を持たせ施設本体は約170〜約210億円、基盤造成経費は住吉町15番街区で地盤沈下が見込まれることや、埋立地ということも配慮し約19億円、基本・実施設計、工事監理費は約6億円、初期備品購入費は約10億円と試算した。
スケジュールは、PPP/PFI手法の導入が適切かどうかを自ら整備を行う従来型手法と費用比較を行う必要があるため、導入検討調査をまず委託。
PFI等手法となった場合は23年度、実施方針を公表、24年度は入札公告を行い業者と契約締結を目指し、25年度から設計・建設工事を行い、28年度の完成。従来型手法の場合は、23年度に基本設計、24年度は実施設計、25年度から3カ年で建設して完成を図る。
維持管理・運営費は概算で年間約2億9700万円(税込み)、利用料金収入は約1億8600万円、ネーミングライツ約2200万円を概算。自立度は約0・7で高い指数を示したほか、来場者の行動に伴う経済波及効果は約51億円を見込んだ。
委員からは「コンセプトにふさわしい名称を付けて」「収支改善にはカフェや物販施設等の設置も」「PFI手法を導入する場合、収益を考えると営利施設が必要となってくる」−などの意見が出た。
■各団体・県民からの意見
カフェやスパの検討を
県では第6回検討委員会で整備候補地が本港区エリアと決定したことを受け、関係団体に意見等を聞いた。天文館関係団体からは「決まった以上、また計画が頓挫しないよう進めてほしい」「回遊性を高める観点から、付帯施設としてカフェやスパなどを検討してはどうか」と要望。船舶関係団体は「臨港道路をはじめ現在の港湾機能を必ず保持すること」と釘を刺し、経済団体は「コンベンション機能をもった公共関与の体育館が整備されればありがたい」と期待を寄せた。