準備工は22年度第3四半期、盛土は23年度
敷地面積10ha、容量は115万m3見込む
東海旅客鉄道株式会社は、下條村睦沢に計画するリニア中央新幹線の発生土置き場について、計画が具体化したため、環境の調査および影響検討の結果を長野県と下條村に1月26日送付した。2022年度第3四半期から準備工に着手し、23年度から盛土工に取り掛かる。
計画地は、国道151号線沿い、道の駅「信濃路下條そばの城」の北東側。現況は耕作地や山林でトンネル工事の発生土を搬入する。敷地面積は約10ha。盛土容量は約115万m3を見込む。造成後は、下條村が後利用を計画しており、道の駅を核とした賑わいや交流に寄与する施設を検討中だ。
造成では、盛土の安定性を向上させるため、埋設堰堤を盛土中央部に擁壁を盛土最下流部にそれぞれ整備する。埋設堰堤付近から下流側をA区画、同上流側をB区画とした。
排水計画では、造成地外からの流入水を流下させるために水路(開渠・暗渠)や雨水排水路のほか、地下排水管を設置。造成地内の排水は調整池兼沈砂池を経由し、下流の火沢川に合流させる。
工事日程によると、22年度はA区画の工事に着手。進入路整備や伐採などの準備工事が22年度第3〜4四半期、調整池と擁壁工が22年度第4四半期〜23年度第1四半期、地下排水工が23年度第1〜4四半期、盛土工が23年度第2四半期〜26年度第2四半期―にそれぞれ着手予定。
B区画は23年度の着工となる見通しで、準備工が23年度第2〜3四半期、埋設堰堤工が23年度第3〜4四半期、地下排水工が23年度第4四半期〜24年度第4四半期、盛土工が23年度第4四半期〜26年度第4四半期とした。
計画地の造成工事には、中央アルプストンネルや風越山トンネルなどの発生土を利用する。運搬ルートは、リニアの工事場所から三遠南信自動車道を使い、天竜峡ICから国道151号を通って、計画地まで運ぶ。
県では、JR東海が今回公表した内容について助言を行うとして環境保全の見地からの意見を2月28日まで受け付けている。
提供:新建新聞社