益城町が計画している複合施設整備が動き出す。建設候補地としていた役場仮設庁舎跡地(木山594)の用地取得が昨年12月に完了したことから、3月までに実施設計者の選定作業に取り組む考えだ。建築設計と一括して造成設計、地質調査の発注を検討している。
熊本地震で被災した「男女共同参画センター」「益城町公民館」「地域ふれあい交流館」の3施設を複合化により再建する。建設地は役場仮設庁舎跡地で、敷地面積は約1万2590平方b(うち新設道路1171平方b)。
計画規模は、昨年2月に公表した基本設計によると、S造平屋建約2000平方bとしている。概算事業費は16億7000万円で、うち建物本体は10億8100万円(電気・機械含む)を見込む。基本設計は昭和設計九州事務所が担当した。
建物の整備方針として、熊本地震の経験から構造体の安全性分類U(重要度係数1・25)、建築非構造部材「A類」、建築設備「甲類」を満たす堅牢な施設を目指す。外観については、当初四つの頂点曲線がある屋根形状としていたが、災害時の基幹避難所に指定されたため、実施設計で見直しが予定されている。
長期避難に対応可能とした取り組みでは、多目的ホールや研修室などを避難スペースとして使用し、敷地内に防災公園や防災備蓄倉庫、かまどベンチなどの設置を検討している。このほか駐車場(約180台)や駐輪場(約30台)を整備する。
用地取得と並行して設計の発注準備を進めるため、21年度当初予算に実施設計費6400万円、造成設計費2200万円、地質調査費870万円を確保していた。年内にも実施設計を終え、23年以降に工事発注したいとしている。
提供:
西日本建設新聞社公式フェイスブックページ「
記者 建設探訪」