静岡市は、「生涯学習交流施設の建て替え等整備」は、船越、高部の両交流館の建て替えで一段落する。船越生涯学習交流会館は現地改築を計画。現在設計を進めており、2022年度に工事着手する。高部生涯学習交流館も移転改築と定まり、早ければ22年度に設計に着手する可能性もある。
市は、耐震対策とアセットマネジメントなどの観点から公共施設の整理を進める中で、生涯学習交流館も順次、改築、改修、廃止などの対応を講じてきた。耐震判定の結果、対策が必要とされた耐震性能Vランクの施設のうち、現状残されているのは船越、高部の両交流館となった。
船越生涯学習交流館は、清水区船越3ノ12ノ4(敷地面積1477平方b)の現施設を解体後に跡地に建て替えを計画しており、解体工事を2月以降早期に発注する。本体建築工事は、22年度第3四半期の発注となりそうだ。24年2月の竣工、同4月の開館を目指す。
新交流会館の規模は、鉄骨造2階建て延べ約650平方bで、ロビー、事務室、多目的ホール、会議室、工作室、音楽室、調理室、和室、図書室などを整備する。人工地盤を設ける駐車場は25台(人工地盤部約18台、地下部7台)の収容能力を想定している。
同所の用途地域は、第一種低層住居専用地域、建ぺい率40%、容積率60%、敷地面積は1500平方bとなっている。新築の設計は、高木滋生建築設計事務所(静岡市葵区)が担当。「富士山を望み 誰もが学びふれあいができる交流館」をコンセプトに、ユニバーサルデザインを取り入れた施設を計画している。施設は、風水害緊急避難場所としても利用する。
解体は、1973年に建設された既存施設(鉄筋コンクリート造4階建て延べ1243平方b)と、人工地盤の駐車場(鉄骨造平屋250平方b)が対象となる。解体費は、市が11月補正予算で9100万円の債務負担行為(ゼロ債務)を設定している。解体設計はナカノ工房(静岡市葵区)が担当した。
一方、高部学習交流館の建て替えは、元の地域医療機能推進機構(JCHO)の敷地内への移転改築が計画されている。現状は、敷地全体のレイアウトなどの検討を優先して進めているため、具体的な進展はないものの、22年度にはワークショップ形式で地元の意見を反映した新交流館像をまとめ、早ければ年度内にも基本計画、設計に着手する。
JCHOが当初、桜ケ丘病院用地として確保していた清水区大内新田地内の敷地3・4f(国道1号静清バイパス北側、塩田川北東)は、病院の移転先変更に伴い、用地交換により市の所有となっている。
市では、地元の意向を確認しながら21年度中に敷地内のレイアウトをまとめる方針で、敷地は遊水池機能を持った公園、広場などの利用が見込まれるが、交流館はその敷地内の0・4fを利用して移転を予定している。
生涯学習推進課では、現状、単独施設としての移転改築を計画しているが、機能などは地元の要望を反映させていく。規模などは未定だが、近年建て替えた他施設の状況から見ると、現施設よりも多少縮小される可能性がある。
既存施設は、清水区押切1086ノ2に位置し、1957年に建設後、78年に改築されている。規模は、鉄筋コンクリート造2階建て延べ819平方b。敷地面積は、2087平方b。
提供:建通新聞社
(2022/1/31)
建通新聞社 静岡支社