県東近江土木事務所は、日野川河川整備計画の変更に向け、「東近江圏域日野川河川整備変更計画策定業務」を委託し進めている。担当はセントラルコンサルタント梶i本社・東京都)滋賀営業所(大津市)。
同業務は、2010年(平成22年)7月に策定した「淀川水系東近江圏域河川整備計画」の、日野川の計画変更を目的とし、各河川の既往検討資料を基に、河川整備計画の変更素案・変更原案に関する各種資料及び関係者説明資料などの作成を行なうもの。
同河川整備計画の変更認可に係る諸手続きについては、現時点で▼今年(令和4年)12月に住民説明会、▼来年(令和5年)7月に住民縦覧(法16条の二4)、▼同年(令和5年)9月に学識者意見聴取(法16条の二3)、▼同年(令和5年)9月に関係市町長意見聴取(法16条の二5)に行った上で、同年(令和5年)12月に変更認可申請を行なう予定をしている。
現在の同河川整備計画の実施区間は、90年(平成2年)災害の復旧事業で整備された河口から2・8q(近江八幡市野村町・大畑橋付近)より上流、善光寺川合流部(近江八幡市竹町、竜王町西横関)までの6・6q。
整備計画規模を、戦後最大の洪水を安全に流下させることの出来る50年確率規模としつつ、治水効果の早期発現のための段階整備として、低水護岸の施工は必要最小限とし、まずは高水敷を掘削することにより20年確率(1360立方b/秒)の断面を確保し、最終的に50年確率での改修を進める。
19年(令和元年)6月に開催された沿川3市2町(近江八幡市・野洲市・東近江市・竜王町・日野町)で組織する日野川改修期成同盟会の総会で、西田秀治竜王町長が「今の進行状況では(現在の)整備実施区間より上流に位置する蛇行しボトルネックとなっている中流部の整備の明日が見えない」と訴え。他の市町首長・議会議長らが賛同の意思を表明し、同盟会の総意として取りまとめた「整備実施区間『延伸』」の提案が、県に認められ準備区間と位置付け、調査に着手。
これまで、河道概略検討を行なって改修ルート等について複数案の計画案を作成。関係市町等と意見交換を行ない計画案を絞り込み、河道予備設計などを進めてきた。
23年度(令和5年度)に変更が予定されている次期河川整備計画に盛り込み、24年度からの事業着手の見通しとなっている。
なお、17年6月に概略設計が完了し、JRと協議を進めてきた「JR東海道本線日野川橋梁の架替事業」(概算事業費70億円)は、18年7月豪雨を受け国が創設した個別補助事業『大規模特定河川事業』に採択され別枠となり、27年度までの8年計画で整備される予定となっている。
提供:滋賀産業新聞