国土交通省四国地方整備局と愛媛県は「肱川水系河川整備計画(中下流圏域)」の変更原案をまとめた。流域治水への転換や河川堤防の漏水などの補強対策とともに、山鳥坂ダム建設、野村ダム改良の内容などを河川整備計画に適切に反映させるよう、必要事項を盛り込む。パブリックコメントの手続きを進めながら、学識者との意見交換や流域住民への説明などを行い、変更案の取りまとめを急ぐ。
2018年7月豪雨を受け、河川整備計画を見直してから2年が経過。事業進捗により整備計画が具体化する一方で、河川堤防の漏水などによる既設堤防の補強対策や流域治水への転換といった新たな課題と取り組みが求められている。また、ダムサイトを上流に変更するなどした山鳥坂ダム建設の計画変更、野村ダム改良事業の内容などを河川整備計画に適切に反映していく必要があることから、現行計画を変更することにした。
流域治水については、施策を流域治水に転換し、河川管理者などの治水対策に加え、集水域から氾濫域にわたる流域に関わるあらゆる関係者と協働して推進に取り組むとした。
ダムについてはダムサイトの上流への計画変更により、完成予定位置とダム諸元の変更などを行う山鳥坂ダム建設事業や、新たな放流設備を設置する野村ダム改良事業の追加などを行う。
また、県の堤防工事の施行の場所や河道の掘削を行う区間などで延長の修正などを行う他、堤防の浸透対策として堤防の詳細点検を行い、計画的に浸透対策を進めることなどを盛り込む。
提供:建通新聞社