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北陸工業新聞社
2022/01/20

【富山】資材調達、困難な傾向強まる/第3四半期建設業景況調査/東日本保証富山/来期は資金繰り厳しく

 東日本建設業保証富山支店は、2021年度第3回「建設業景況調査」をまとめ、公表した。
 景況調査は、建設企業の景気動向を総合的に迅速かつ的確に把握することを目的に実施しているもの。経営動向(地元建設業界の景気、受注、資金繰り、金融、資材、労務、収益の状況)、経営上の問題点について、毎年3、6、9、12月に郵送でアンケート調査を行っている。
 調査に際しては、同社と取引関係のある建設企業から、地区別と業種別、規模別の分布状況を考慮し、経営動向を反映するに足りると認められる企業を対象とし、原則として固定している。今回の県内回答企業数は計61社で、項目ごとに10月から12月の今期実績(第3四半期)、22年1月から3月の来期見通しを算出した。
 項目別のB・S・I(景況判断指数)値を見ると、「業況等」の地元建設業界の景気は今期、前期と同様に推移しており、悪い傾向が続いた。来期も今期と同じ悪い傾向が続く見通しであり、今後の先行きに対して、悲観的な回答を寄せる結果が多かった。
 今期の「受注総額」は、減少傾向が強まった。官公庁は減少傾向が強まった一方で、民間は前期と同様の減少傾向が続いている。来期の受注総額は、減少傾向が続く見込みで、官公庁は減少傾向が相当強まり、民間は減少傾向がかなり弱まる見通し。
 「資金繰り」は今期、容易な傾向から一変、厳しい傾向が著しく強まった。来期はより一層、厳しい傾向が強まるもようで、B・S・I値マイナス9・0は、13年3月以来の厳しい水準。
 今期の「金融」は、銀行等貸出傾向で容易な傾向が弱まり、短期借入金は増加傾向が強まった。来期の銀行等貸出傾向は、今期と同様に容易な傾向が続く見通し。短期借入金は増加傾向が続く見込みで、B・S・I値6・0は、12年12月以来のレベルとなる。
 また、「資材」は今期、資材の調達で困難な傾向が顕著に強まっており、資材価格も上昇傾向が相当強まった。来期は、資材の調達で困難な傾向がさらに強まるもようで、B・S・I値マイナス24・0は、過去10カ年の実績データの中で最も厳しい状況となっている。資材価格も上昇傾向が続く方向。
 今期の「労務」は、建設労働者の確保で困難な傾向が強まっており、賃金は上昇傾向がかなり強まった。来期は、労働者の確保で困難な傾向がより一層強まる見通しであり、賃金も上昇傾向が続く見込みだ。
 「収益」は今期、減少傾向が続いている。減少の理由では、『完成工事高の減少』と回答するウエイトが大半を占めた。来期の収益は、今期と同様の基調が続くもよう。
 今期の経営上の問題点は、『人手不足』が依然トップ。以下、『従業員の高齢化』、『受注の減少』の順と、傾向の変化は見られなかった。
 なお、自社の業況は今期、悪い傾向がやや強まった。来期は悪い傾向が著しく強まる方向で、B・S・I値マイナス19・0は、17年6月以来の水準。

hokuriku