北陸地方整備局は、河川整備計画の変更に伴い、13年度に実施した信濃川下流直轄河川改修事業の再評価から約101億円増額する事業費の変更内容をまとめた。このほど開催された信濃川水系流域委員会下流部会(部会長・丸井英明新潟大学名誉教授)の第2回会合で事務局の信濃川下流河川事務所が示した。
同事業は、新潟市、長岡市、燕市、三条市、加茂市、田上町の直轄管理区間60・58キロが対象。事業期間は14年度から43年度まで。総事業費に約785億円を見込み、残事業費は約417億円となっている。
変更内容をみると、本工事費のうち、天野河川防災ステーション(新潟市江南区天野)は「施設の能力を上回る洪水を想定した対策」に関して流域内の調査・検討を行った結果、事業費等が確定したため18億6800万円を増額する。国が基盤整備、ヘリポート、災害対策車両小庫、緊急用資材(土砂、コンクリートブロック等)を、新潟市が水防センターを整備する計画。河道掘削は当初想定していない土質の出現に伴い12億6000万円増額し343億1100万円、信濃川水門の耐震対策は耐震照査および詳細設計が完了し耐震対策工事の費用が確定したため6億8400万円増額して18億900万円とする。一方、築堤は河道掘削土砂の有効活用により21億2700万円減額し49億1900万円、護岸は施工方法の見直しおよび河道掘削土砂の有効活用により11億9500万円減額し23億2100万円とした。
附帯工事費では施設管理者(新潟市)と17年4月に基本協定を締結している主要地方道白根安田線の小須戸橋(新潟市南区)架替えは「横断工作物の改築」で、もぐり橋等の解消に向け国負担分の事業費が確定したため62億円増額。新橋りょうは現橋から750メートル上流に整備する新橋りょうは南区上八枚(左岸)と秋葉区横川浜(右岸)を結ぶL=607メートルで計画。幅員12・0メートル、車道9・5メートル、歩道2・5メートル。樋門・樋管は施設管理者との協議による施設構造等の変更に伴い3億4000万円増額し8億500万円としている。
下流部会では信濃川・千曲川で広域にわたって甚大な被害が発生した「令和元年東日本台風洪水」を契機に河川整備計画に向けた検討を進めており、このほど開催された第2回会合で河川整備計画(第3回変更原案)が了承されている。