日本工業経済新聞社(群馬)
2022/01/17
【群馬】県畜産課 22年度はB牛舎工事 浅間牧場の草地・施設整備
県畜産課は浅間家畜育成牧場(長野原町北軽井沢2032−23)の農業競争力強化農地整備事業で、2022年度にB牛舎の新築および草地整備改良工事を計画している。工事費は国の補正予算で4億8000万円を確保した。19年度の事業開始からこれまでにA牛舎や飼料調整庫、一部草地整備改良などを実施。23年度の事業完了を目指し工事を進める。区画整理や農業用施設等を総合的に整備することで生産性の高い飼料基盤を確保する。
800ha程度の敷地内5カ所に点在している牛舎をA牛舎とB牛舎の2棟に集約。A牛舎(S造、床面積3000u)の新築は、渡辺建設(嬬恋村)の担当で現在工事を進めている。同規模となるB牛舎は22年度に工事を発注する予定。施設規模はA牛舎と同等を想定している。
また、全体90・8ha程度の規模で起伏修正などの草地整備改良を計画しており、これまでに15・8haで工事が完了している。22年度は37・4haの整備について工事発注を行う。
施設整備はこれまでに、飼料調製庫(S造、床面積225u)、環境保全施設(W造、同9・56u)、獣害防止柵約9100m、防護柵役3300mを完了させている。
最終年度となる23年度には、堆肥舎(S造、延べ床面積1600u)と病畜舎(S造、同152u)の新築工事を予定している。また、全ての施設整備が終了した後に、畜舎の周りに電気柵を設置する。
工事に関わる設計は、建築物を小島設計(沼田市)が担当し、草地改良などの測量や基本設計および国庫補助申請に向けた資料作成などについては、藤和航測(前橋市)がまとめた。
同牧場は、浅間山の標高約1300mに位置する総面積約800haの乳用牛育成牧場で、1883年に北白川宮能久親王により馬の放牧場として開設された。酪農近代化の一環として戦後に乳用牛の育成に向けて整備を進め、現在では春から夏の多い時期で約470頭、冬は約330頭の牛を県内の酪農家から預かり育成している。
これから施設の預託可能頭数を上回る預託希望頭数が見込まれており、経営規模拡大の妨げとなる懸念があることから区画整理や農業用施設等の総合的な整備を計画。老朽化した施設を改良することで、生産性の高い飼料基盤を確保するとともに、安定した自給飼料生産により酪農経営のコスト低減を図る。加えて、畜産経営規模の拡大を推進し、県内の酪農の競争力強化を促していくとしている。