建通新聞社(神奈川)
2022/01/17
【神奈川】神奈川協組 生コン価格値上げを視野
神奈川生コンクリート協同組合は13日、横浜市西区内で新年賀詞交換会を開き、大久保健理事長は、近隣の東京地区生コン協組や玉川生コン協組が既に打ち出している生コン価格の改定について、「最終的には理事会の決定となるが、われわれも(両協組と同様に)1立方b当たり3000円程度の値上げ、また時期についても同じく2022年6月1日(引き合い受け付け分)との方向で打ち出さなければならない」との考えを示した。
大久保理事長は、協組の現状について「21年度の出荷量は、史上最低だった20年度よりも若干増える見通しだが、なかなか底を抜けきれない状況ではないか」と述べるとともに、原料となる諸資材などの高騰を背景に各社の経営は「引き続き大変厳しい」との見方を示した。
さらに、「さまざまなコストアップによる値上げに加えて、現状の取引慣習にもメスを入れて、新しいかたちに改善できるようチャレンジしなければならない。それに、各社の事情にもよるが構造改善も進めていく必要がある」と述べた。また、「品質保証と瑕疵(かし)保険の問題にも真摯(しんし)に取り組み、きちんとした内容のものを打ち出す。大きな変化の年となるよう頑張っていきたい」と述べ、関係者の理解と協力を求めた。
〜さまざなコストアップ要因〜
来賓として太平洋セメントの森秀樹執行役員東京支店長は、石炭価格の高騰などを背景に「セメントメーカー各社が、1d当たり2000円以上の値上げを打ち出している。国内セメント事業を継続するためにはやむを得ない」と説明。他方、「生コンはセメントだけではなく、骨材や混和剤の値上げ、ミキサー車の運賃・人件費アップなどさまざまなコストアップ要因がある。これは確実に生コンの値段に反映していかなければならない」との認識を示した。その上で、「セメントメーカーは生コンメーカーの値上げに対して、全力で協力していく。生コン業界とセメント業界が力を合わせて、この難局を乗り越えていきたい」と述べた。 提供:建通新聞社