防衛省は13日、鹿児島市の県庁に塩田康一知事を訪ね、馬毛島における自衛隊施設の整備等に対する説明を行った。2022年度予算案に建設費用3183億円を盛り込んだことで整備地に決定したことや、7日に行われた日米の外務・防衛の閣僚協議「2プラス2」で、在日アメリカ軍の空母艦載機訓練の移転に向けて建設することをアメリカ側に伝えたことを報告。塩田知事は「住民の安全・安心が一番重要。説明が後になっている。丁寧な説明をお願いしたい」と答えた。
同省側からは岡真臣地方協力局長らが出席。「政府の中で予算計上という形で具体化し考えが示された」と21年末から年始の動きを説明。塩田知事は「環境アセスメントが判断材料となる。住民への影響が一番の懸念材料。地元の理解が得られるよう説明責任を果たしてほしい」と答えた。
整備に向けた取り組みでは、各種施設の設計や海上ボーリング調査、管理用道路や仮設建物等の入札を執行。17日には基地整備に使用するコンクリート製造のために必要な仮設プラントの開札を見込み、併行して環境影響評価方法書の手続きも進めている。
予算計上の内訳は、施設整備に係る調査・検討等に136億円、馬毛島における施設整備費は係留施設・仮桟橋等の港湾施設に1129億円、滑走路(メーン2450m、横風用1830m)や駐機場、燃料施設等は884億円、管制塔、通信局舎、飛行管理棟等に449億円を配分。
岡局長は「わが国を取り巻く安全保障の変化が激しい。このため、自衛隊の拠点をつくることと、日米同盟の抑止力、特にFCLP(陸上空母離着陸訓練)が可能となることで空母打撃群の展開が必要となっている」と付け加え、「今後とも進捗状況を踏まえ地元説明等を一つ一つ丁寧に行いたい」と締めくくった。