京都市は13日、「いのちを守る 橋りょう健全化プログラム」[第3期(令和4年度〜令和8年度)]の案を明らかにした。
同プログラムは、平成24年度から20年間(5年ごとの4期間(第1期〜第4期))での対策完了を目指すもの。これまでの第1期・第2期(平成24年度〜令和3年度)プログラムにより、耐震補強は、緊急輸送道路上の橋りょう(橋長15m以上)の対策が必要な28橋のうち、24橋の対策が完了した。なお国土交通省、京都府、京都市等で構成する協議会で決定する緊急輸送道路の見直しを踏まえ、新たに対策が必要となる橋りょうを追加予定。
鉄道や道路を跨ぐ橋梁は、対策が必要な22橋のうち、4橋の対策が完了した。
老朽化修繕は、平成26年度から市管理の約2900橋の橋りょうで、道路法に基づく定期点検を実施した結果、「早期に老朽化修繕の必要がある橋りょう」は326橋(耐震補強と重複する20橋を除く)あり、これら326橋の対策を順次進め、第1期・第2期プログラムで55橋の対策が完了した。
第3期プログラムでは、対策を行う優先順位を明確にするとともに、対策コストの削減(直営による橋りょう点検の継続、ドローン等の新技術の活用、一部の橋りょうで過去の成果を流用して設計を簡素化等)を図りながら、「防災・減災、国土強靭化のための5か年加速化対策」をはじめとした国の予算や、ふるさと納税等による寄付を積極的に活用し財源を確保し、効率的・効果的に対策を進める。
耐震補強の優先順位は、緊急輸送道路上(15m以上)の橋りょうについて、残る4橋の対策を推進し、このうち2橋(宮前橋、丸太町橋)の対策完了を目指す。
鉄道や道路を跨ぐ橋梁は、新幹線を跨ぐ橋梁の対策を優先し、1橋(大石道跨線橋)の対策完了を目指す。
老朽化修繕は、緊急輸送道路上(15m以上)の橋りょうについて、第2期から継続している橋りょう1橋(西中之郷橋)の対策完了を目指す。
早期対策の必要がある橋りょう(健全度V)について、損傷の度合いを中心に路線の重要度(緊急輸送道路、幹線・準幹線道路、通学路、バス路線などを勘案して判断)を踏まえた優先順位を設定し、優先順位1に分類した59橋から対策を実施する(▽59橋全ての対策に着手▽5年に1度の定期点検の中間年度に、損傷の度合いを確認し、必要に応じて優先順位を見直す▽優先順位2以降の橋りょうは、日常の維持修繕の中で対策できるものは積極的に対策を推進)。
また、毎年度プログラムの進捗状況をホームページで公表するなど、「見える化」を図る。
第1期・第2期では、耐震補強について、緊急輸送道路は24橋で対策完了、跨線・跨道橋は4橋で対策完了の計28橋で対策完了(56%達成)。老朽化修繕は、損傷が特に大きい35橋で対策完了、緊急輸送道路(15m未満)20橋で対策完了の計55橋で対策完了(17%達成)。
次期の第3期では、耐震補強について、緊急輸送道路(15m以上)は2橋で実施し、全28橋中26橋で対策完了予定、跨線・跨道橋は1橋で実施し、全22橋中5橋で対策完了予定。計3橋で対策完了予定。第1期・第2期の28橋と第3期の3橋の合計31橋で対策完了予定(62%達成予定)。老朽化修繕は、緊急輸送道路(15m未満)1橋で実施し、全21橋の対策が完了予定。損傷が大きい270橋について「損傷の度合いを中心に路線の重要度を踏まえ優先順位を設定して対策を実施」。
第4期以降については、耐震補強は、緊急輸送道路(15m以上)で2橋(今熊野橋、桂橋)、緊急輸送道路を跨ぐ橋梁で1橋(中書島橋)の対策完了、新幹線以外の鉄道・道路を跨ぐ16橋(大宮跨線橋、北谷跨線橋、醍醐街道跨線橋、大和大路跨線橋、花山跨線橋、北花山第2跨線橋、御坊ノ内跨道橋、綾小路跨線橋、井御料橋、鳥居本橋、野々宮跨線橋、御香橋、千本橋、醍醐跨道橋、寺町人道橋、乃木橋)の対策完了を目指す。
第3期で耐震補強を実施する5橋をみると、丸太町橋(上京区俵屋町、橋長92m、幅員22・8m、鋼橋)、今熊野橋(東山区今熊野宝蔵町、橋長22m、幅員22・5m、鋼橋)、桂橋(西京区桂浅原町、橋長306m、幅員13・0m、鋼橋)、宮前橋(伏見区淀大下津町、橋長271m、幅員9・8m、鋼橋)、大石道跨線橋橋(山科区上花山久保町、橋長36m、幅員2・3m、鋼橋)。