建通新聞社(神奈川)
2022/01/14
【神奈川】相模原市 A&A 基本的な取り組み方向性
相模原市は、麻溝台・新磯野第一整備地区土地区画整理事業について、事業計画変更案の基本的な考え方となる取り組みの方向性を公表した。今後は3月末までに事業計画変更案を作成し、事業の成立性(事業継続)を判断する。
同地区の面積は約38f。市施行の土地区画整理事業で2017年1月に着工したが、地区内では想定を超える大量の地中障害物が発出したことなどから、19年6月に事業の一時立ち止まりを決定。現在は事業計画変更案の作成を進めている。
基本的な取り組みの方向性では、地中障害物の処理費用負担について、これまで宅地の所有者が処理費用の全額を負担することとなっていたが、処理費用の追加減歩負担に伴い、換地地積がなくなってしまう宅地の存在が確認されており、合規性上の問題があることから見直す。また、地中障害物を土地利用上の阻害要因として取り扱い、土地の阻害要因に基づく一定の係数を設定した上で、土地評価を低減させる。
地中障害物の処理費は、低減させた減歩により得られた保留地処分金を充当。当該処理費に係る保留地処分金に不足額が生じる場合、土地区画整理事業の施行に必要な事業費となるため、土地区画整理法上の施行規程を定めた条例に基づき施行者である市が負担する。
事業継続となった場合の想定スケジュールは、22年度に地権者土地利用意向調査と事業計画の見直し案に係る意向(賛同)調査を実施。22〜23年度に換地設計、22〜24年度に廃棄物の処理、23年度に事業計画変更案の確定と地区計画の再同意を取得する。23〜24年度に都市計画変更と事業計画変更の手続き、24年度中の基盤整備(道路などの整備)の再開としている。
基本的な取り組みの方向性は次の通り。
▽都市計画の見直し―社会経済情勢などを踏まえ、地域地区(用途地域など)、都市計画施設、地区計画について見直す
▽地権者減歩負担―レーダ探査により地中障害物が確認した宅地は、土地の阻害要因に基づく一定の係数により宅地の評価を低減。地中障害物が確認されなかった宅地は、原則としてその負担を影響させないよう整理を進める
▽土地利用計画―事業費の圧縮や施行期間の短縮を図るため、大街区化や公園の配置を見直す。都市計画道路麻溝台新磯野中通り線は廃止を含め見直す
▽土地利用意向の反映―現在の申し出を基本とし、変更がある場合は、土地利用意向のみを確認。土地利用意向の反映に当たっては、従前の宅地の条件を踏まえ、基準に基づく見直しを実施
▽施行展開計画―総額としての財政支出を抑えるため、単年度の工事量を最大限増加できるよう計画し、速やかに工事に着手、早期の工事完成を目指す
▽地中障害物等の処理―事業継続の判断後、早期に開始 提供:建通新聞社