日本工業経済新聞社(群馬)
2022/01/05
【群馬】2022年がスタート
2022年という新たな年を迎えた。22年の県政展望としては21年12月の補正予算で公共事業費178億5900万円をが確保され、早期発注に向けた準備が進められるなど年初から大きく動き出すことが見込まれる。PFIの導入が検討されている敷島公園水泳場の建て替えは年度内に可能性調査業務がまとまる見通し。企業局では、高崎玉村スマートIC北工業団地と明和東部工業団地での発注が近く、大型工事の準備が各部局で進められている。DXの導入は、県土整備部でCIMの試行に向けた動きもあり、さらに新技術の活用が活発化する。
【12月補正予算】
国補正予算の閣議決定を受け、防災・減災対策を中心に予算を配分。内訳は県土整備部156億円、農政部14億800万円、環境森林部8億5100万円。特に県土整備部は防災・減災、国土強靱化のための5か年加速化対策を含めた国補正予算の早期執行のため予算を編成しており、発注に向けた準備が進められている。主要な配分先としては水害対策に27億8000万円、土石流対策や地すべり対策、砂防基礎調査などへ14億円。落石対策や無電柱化、バイパス整備には61億1000万円などとなる。
【敷島公園水泳場】
20年10月に知事がPFIの導入を視野に入れた建て替えの方針を示し、現在も導入可能性調査業務が進行中。年度内に調査結果がまとまり、PFIの導入や従来手法など事業手法の検討を実施。PFIを導入することとなった場合はそこからさらに実施に向けたアドバイザリー業務の委託なども見込まれる。
整備方針としては、現地建て替えとなり、屋内の50m温水プールと飛び込みプールの2槽を想定。水深を変更できる可動床の導入などもも検討することとなる。
【産業団地整備】
発注準備が進められているのは高崎玉村スマートIC北工業団地(玉村町)と明和東部工業団地(明和町)の2つ。工事の発注方法は2団地ともに検討中。事業規模が大きいことから複数に分割し、それぞれ一般競争入札となりそう。
玉村スマートIC北は約19・6haが対象。区域内には調整池1・2ha、公園2カ所合わせて0・7haを整備する。区画内道路としては幅員12m、延長800mのほか、幅員9・5mを1130m新設する。22年度まで工事を行い23年度の分譲開始を予定している。
明和東部の開発面積は約18・6ha。敷地東側に調整池1・8ha、区域道路は幅員10m、延長920mの路線を中心に◇幅員6・5m、延長190m◇幅員7m、延長195m◇幅員9m、延長378m−をそれぞれ整備する。
【沼田地区高校再編】
沼田高校と沼田女子高校の統合を計画、25年4月の開校を目指している。これから高校の設置場所や整備方法などの詳細を詰める段階。スケジュールを考慮すると22年度中の設計もありそう。
【DXの推進】
県土整備プランDXアクションが11月に策定され、BIM/CIMの活用など新たな取り組みが進められる。BIMに関しては一部現場ですでに試行を実施中。24年度の本格運用を目指す。
CIMは試行要領の策定を進めているところ。試行が可能な工事の選定を進め、あった場合は早期に開始したい考え。
また、これまでも積極的に実施していたICT活用工事についても22年度の本格運用に向けて準備中。取り組みがさらに拡大、定着するよう要領の策定を行っている。
【再生可能エネルギーの活用】
一定規模以上の施設を新設する際に再生可能エネルギーの導入を義務化するぐんま5つのゼロ宣言実現条例が年度内に制定となる。設置義務となる施設の規模は2000u以上で調整中。設置義務のある施設へ導入する際には、導入計画と工事完了報告の提出を求める。設置しない場合は情報を公表する方針としている。また、規模に関係なく不特定多数が利用する施設は再生可能エネルギー設備導入を努力義務としたい考え。
このほか、県企業局が板倉町の板倉ニュータウンで水素エネルギーの利活用の試行を検討中。年度末を目途に水素実証施設や地域マイクログリッド整備に向けた基本設計を委託する。