京都市は令和3年12月27日、救護施設整備及び運営事業者選定委員会を開催し、申請者の提案を非公開で審査した。
京都市の救護施設の整備及び運営事業者の公募を巡っては、平成30年8月に大阪の社会福祉法人を事業者として選定したが、京都市伏見区羽束師の候補地での地元協議が難航。当該法人は、工事着工の具体的目途が立たない中、整備の遅れにより、資金計画に支障が生じたことを理由として、当該事業を断念したいとの届出を令和2年2月に市に提出。その後、市は事業候補者としての選定を取り消した。
市は、支援対象者の課題の複合化に対応していくため、救護施設が必要との認識に変わりはなく、改めて再公募するとし、令和2年4月に再公募を開始。申請書類の受付は8月24日から8月31日まで行っていたが、応募が無かった。
その後、救護施設の整備場所について、伏見区の障害者支援施設「醍醐和光」の敷地内の一部の市有地を賃貸して整備する方針を固め、11月22日から事業者募集を行い、社会福祉法人から応募があった。
12月27日に開催した救護施設整備及び運営事業者選定委で、京都市の出口一行保健福祉局生活福祉部長は「11月22日に伏見区の醍醐地域にある障害者支援施設の醍醐和光の敷地の一部を活用した救護施設の整備及び運営事業者の再公募を行いました。その結果、社会福祉法人から応募があったことから本日審査をお願いする運びとなりました」と経過を説明。「在宅で生活を営むことが困難となった人を支援する救護施設の役割はますます重要になっており、救護施設の整備は市の今後の生活困窮者支援の大きな転換点であると考えている」「本日は、申請者のプレゼンテーションと質疑応答の時間を設け、皆様方には専門的な見地で審査をお願いします」と述べた。
選定委の委員は加美嘉史佛教大学教授、木村祐子公益財団法人ソーシャルサービス協会ワークセンター事務局長、土江田雅史土江田会計事務所所長、山岸孝啓京都市社会福祉施設連絡協議会会長の4人で構成。委員長は委員の互選で加美佛教大学教授を選任した。
その後、事業者選定に関する審査等は非公開で行われた。
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11月22日公告の募集要領によると、整備場所は京都市伏見区日野西川頬4−10、4−11の敷地面積約2677・0u(醍醐和光の敷地内の一部の市有地を賃貸)。用途地域は第1種中高層住居専用地域(建ぺい率60%、容積率200%)で、高度地区は15m第一種高度地区。
救護施設の定員は60人から80人程度。救護施設の整備にあたっては、市から整備費等への補助(開設前に必要となる経費補助含む)を予定。
土地は、施設整備前に定期借地契約を締結するものとし、期間は50年。最低貸付料は年250万円とし、公募で提案された額(年額)を貸付料とする。
対象の市有地は、現在、社会福祉法人南山城学園が駐車場として使用するほか、ごみ置場及び物置等を設置していることから、社会福祉法人南山城学園と調整のうえ、移設するものとし、移設に係る費用については、整備及び運営候補者の負担とする。