福井県は、越前市新堂町や鯖江市戸口町などを対象とする、北中山地区農業用用排水施設事業「県営湛水防除(小規模)事業」で、工法変更などの手続きを進めている。
総事業費は5億7400万円増の11億7400万円を想定。事業期間も延伸し、2023年度の完了を見込む。
排水機場および排水路を再整備し、湛水被害の発生を未然に防止し、農業生産の維持および農業経営の安定化を図り、併せて国土保全に資することを目的とする事業で、18年度に着手した。
基本的な方針に変更はないが、洪水時の水位が田面高より高くなるため、水位を低下させるために水路壁高を見直すとともに、併せて水路の浮上対策が必要だと判明したため、浮力対応型のL型水路(二次製品)に構造を見直したい意向。さらに、基礎地盤の調査で支持力不足が明らかとなったことから、軟弱地盤対策も増工の方向。
排水機場の電気設備に関しても、整備から40年以上が経過し、一部部品が入手困難なため、今事業により一体的に更新する方針に変更。また、除塵施設も経年劣化に加え、安全対策に不備があり、正常な運転操作に支障をきたしているため、除塵施設更新を増工する。
変更後の概要は、▽幹線排水路940メートル=L型水路工(H)1・4メートル×(B)5・0〜3・6メートル▽排水機場整備一式=主ポンプ補修、補機類更新、電気設備更新、建屋耐震補強―。
事業費は11億7400万円に変更予定。主な内訳は排水路工が7億7200万円(3億8200万円増)、排水機場工が3億4100万円(1億9100万円増)など。