全国児童生徒地図作品展連絡協議会(加盟14団体、特別会員3団体、事務局=国土地理院)は27日、「第25回全国児童生徒地図優秀作品展」に推薦された作品の中から、国土交通大臣賞と文部科学大臣賞の各1点などを選定した。
このうち、国土交通大臣賞には、とやま地図作品研究会(会長・大西宏治富山大学人文学部教授、事務局=日本測量協会北陸支部)が、「とやま地図作品研究会長賞」として推薦した、富山市立堀川小学校6年の姫野理央さんの作品「集中豪雨からまちを守れ!松川雨水貯留施設のはたらき」が受賞。同研究会としては、2回目の国土交通大臣賞受賞となった。表彰式は2022年1月12日、国土交通本省大臣応接室で行われる。
全国児童生徒地図優秀作品展は、各地の地図を使った教育や児童生徒の地図についての取組を広く紹介し、より一層の地図の普及啓発を促進することを目的に、1997(平成9)年度から毎年開催しているもの。
今回は全国562校、3063点の作品応募があった。各団体から1点を大臣賞候補作品として推薦することができ、有識者による選考により、特に優秀な作品に国土交通大臣賞(1点)、文部科学大臣賞(1点)が授与されている。
国交大臣賞に輝いた姫野さんの作品は、近年、地球温暖化による集中豪雨が各地で様々な災害を引き起こしている中、富山市がその対策として整備した「松川雨水貯留施設」を取り上げた。同施設は地下にあり、普段は目にすることができないため、道路部分を透明にして、立体地図で表現した。姫野さんは、この作品を通して、集中豪雨から私たちのくらしを守るためには、これだけの施設が必要なほど、地球温暖化の危機が迫っていることを伝えたいと思い、作品を作成した。
講評では、「下水道という地下にあって、目に見えないものの、地図表現を模型として表した視点が優れている。神通川の旧河道である松川付近の洪水について、訴えるものがあった。地下の状態を表すという視点が良かった。地下の状況を、リアリティに地図表現している点が見事であった。貯留管の太さや機能を調べて、種類による色分けなどの工夫が良かった」と述べている。
なお、富山地区の主催者である「とやま地図作品研究会」は、ボランティア組織として毎年、全国展へ出展。後援は国土地理院北陸地方測量部、富山県、日本測量協会北陸支部、富山県測量設計業協会、日本地図センター、国土地理協会、北陸工業新聞社など。