国土交通省四国地方整備局の事業評価監視委員会(委員長・橋本親典徳島大学大学院教授)は2021年度の第2回会合で、「吉野川水系直轄砂防事業」「一般国道192号徳島南環状道路」「一般国道55号牟岐バイパス」を再評価(重点審議)し、いずれも四国地整が対応方針として示した事業継続について「妥当」と判断した。
吉野川水系直轄砂防事業は徳島県三好市と高知県大豊町、本山町、土佐町、大川村、いの町を対象区域として40年度の完了をめどに実施している。吉野川中流域や上流域からの土砂の異常流出を軽減し、下流河川の河床上昇を抑えることで氾濫被害を軽減する。土石流による被害の軽減や、早明浦ダムの貯水池に流入する土砂の抑制も目指す。同事業中期計画の整備基数139基のうち砂防堰堤25基、既設改築5基、床固工3カ所の合計33基が完成し、17基の砂防堰堤を施工している。総事業費は約865億円で残事業費は約547億円。
国道192号徳島南環状道路は徳島市国府町観音寺〜八万町大野の延長9・5`、幅員19・5bの4車線の自動車専用道路で、1986年に事業化し95年に工事着手した。事業進捗率は52%で、用地取得率98%。調査設計や用地買収、工事を進めている。全体事業費は約1191億円。
国道55号牟岐バイパスは徳島県牟岐町川長〜中村の延長2・4`を幅員8b、2車線で整備している。南海トラフ地震の津波災害警戒区域を避ける緊急輸送道路を確保し、広域道路ネットワークの構築を目的とする。2004年度に事業化し、13年度に着工した。用地取得率は82%、事業進捗率は49%で、調査設計や用地買収、工事を進めている。
前回の評価時に比べて全体事業費が14億円増加し95億円となった。道路橋示方書の改定による山田高架橋の計画見直しで6億円増額、建設発生土運搬先の変更による運搬費増加と搬出先での法留め擁壁や転圧が必要になったことで8億円増額した。
提供:建通新聞社