日本工業経済新聞社(群馬)
2021/12/27
【群馬】2021年プレイバック 市町村編
2021年も残すところあとわずかとなった。20年から引き続いて新型コロナウイルス感染症に不安を感じる一年であった半面、東京オリンピックではソフトボール日本代表が金メダルに輝くなど史上最多となる58個のメダルを獲得し、感動と勇気を与えてくれた。県内建設業界に目を向けると、前橋市立明桜中学校の開校や桐生市中央調理場の完成など、地域に密着した公共施設が完成した年でもあった。一方で入札制度の改正など、公共事業のあり方について問われた年だったともいえる。そこで、2日間に渡り県内の注目事業などにスポットをあて、この1年を振り返る。初日となる今回は、各地域の市町村が発注した事業をまとめた。
【中毛地域】
前橋市立春日中学校と広瀬中学校が統合し、明桜中学校(後閑町50−4)が4月に開校した。校舎および新設した体育館の本体工事費はそれぞれ5億円を超える大型事業となった。RC造4階建ての校舎は延べ床面積5000u規模、新設した体育館はS造2階建て、延べ床面積2000u規模となる。
老朽化により建設が計画されていた伊勢崎市の境消防署は、22年度の庁舎建設発注に向け柏井建設(伊勢崎市)の担当で造成工事がスタート。建設予定地は、国道354号沿いにある境文化センター南側の農地約5500u。うち、約750uを建物敷地としており、約2500uを訓練場、残りは緊急車両の通路や防火水槽の敷地に充てる見通し。
玉村町は5月に社会体育館(上之手1517)の長寿命化改修工事を一般競争入札で公告。田中建設(伊勢崎市)が担当し外壁のクラック補修や、施設内の床・壁の改修、トイレ・シャワーなど水回り設備の更新などを進めている。
【西毛地域】
高崎市の高浜クリーンセンター(高浜町252−1)は、建築工事に前田建設工業・研屋・昭和建業JVが5月から着手。新施設は、敷地約3・35haに可燃ごみ処理施設と不燃・粗大ごみ処理施設、リサイクルセンター、管理棟が一体となったRC造一部SRC造およびS造地下1階地上5階建て、床面積は約3万uの規模で建設、24年度の完成を目指し工事を進めている。
安中市では多世代交流型子育て支援拠点となる、あんなかスマイルパーク(安中市原市1990−1)が完成した。1万7000uを超える敷地内にプレイルームや多目的室が配置されているスマイル棟や芝生広場、水遊び場などが整備され、笑顔あふれる憩いの場として世代を超えて親しまれている。
【東毛地域】
桐生市は市政100周年を迎えるにあたり、学校給食中央共同調理場(桐生市相生町4−33−1)を完成させ運営を開始した。本体工事費6億円を超える同調理場は、S造平屋一部2階建て、延べ床面積約3100uの規模。1日あたりの供給給食数は最大で6000食を賄う。また、森エンジニアリング桐生スタジアム(元宿町17−33)のスタンドとトラックなども完成し、市民の健康促進に寄与している。
【北毛地域】
渋川市は、JR渋川駅周辺の再整備事業として、駅前広場整備に着手した。広場南側をホクブ(渋川市)が担当して整備を開始しており、22年度は広場北側の工事を行う。渋川市の玄関口を再整備することにより地域のさらなる発展に期待が高まる。昭和村はS造3階建て、延べ床面積2700u規模の新庁舎建設の建設工事を6月に発注。沼田土建・石坂建設JV、電気設備工事は藤田エンジニアリング・加藤エンジニアJVが担当し工事を進めている。
【入札制度の変更】
官製談合に伴い、各市で入札制度の見直しが行われた。前橋市では予定価格を従来の事後公表から事前公表に変更するなどの対応を行った。また、沼田市は一般競争入札を基本とし、調査基準価格にランダム係数を設定するなどの改正を行い、談合の再発を防ぐとしている。
【市町村長選挙】
首長選挙が行われたのは◇伊勢崎市◇館林市◇太田市◇大泉町◇上野村◇渋川市◇片品村−。伊勢崎市は臂泰雄市長、館林市は多田善洋市長が就任した。