滋賀県は、計画推進している「国道307号補助道路整備事業」について、今年度補正予算で6000万円の事業費を追加している。同事業は、長野工区が分割施工困難な大規模切土工事となることや、事業効果の早期発現や業務の平準化を図るために年度を跨ぎ設計する必要が生じたため、また斧磨工区と多賀SIC工区が田畑部と隣接する工事であり施工が農閉期に制限されることから、各事業費の確保を行い更なる事業推進を図るために債務負担行為を実施したもの。
このうち長野工区の内容を見ると、追加した予算を活用して既に発注済みの愛宕山に約3万立方bの掘削工を行い、そこから排出された土で盛土工の実施に加え、4000平方b程度の簡易吹付工、130bの補修路壁工を行う愛宕山の切土・盛土工等に係る事業費や、国道307号長野バイパス整備事業として事業推進している延長160bの護岸にブロック積み工と地盤セメント改良を施す地盤改良工事の一部に充当する。
その後のスケジュールは、先線工事として計画している3号橋の橋台工事にスムーズに取り掛かれるよう手続きを進めていく。その他の各種工事は、現在取り掛かっている大戸川右岸側の用地買収を進めながら、進捗状況を見て施工可能な場所から予算措置を図っていく方針。
国道307号長野バイパス(甲賀市信楽町牧・勅旨字界付近〜同町柞原)は、新名神高速道路信楽インターチェンジのアクセス道路整備として、また、渋滞緩和や地場産業の発展、地域活性化と災害時等有事の際の幹線道路確保のためとして、4年度に国庫補助事業(道路改築)の事業認可を取得。新名神信楽インターチェンジの接続箇所付近から牧・勅旨の字界付近まで、国直轄事業で整備(現道拡幅4車線化)が行なわれている「国道307号信楽道路」(延長2・9q)の先線となるもので、車道2車線のバイパスを建設する。
牧・勅旨の字界付近で現道を離れ、西側の山中に入り、勅旨字沢出で現道と立体交差(接続無し)。東へ廻り信楽高原鉄道信楽駅前(同町長野)で県道信楽停車場線と平面交差後、大戸川沿いを南に進み、神山地先で国道422号に接続。再び山中に入り、県道信楽上野線と平面交差(同町江田)後、柞原地先で現道に戻る計画だ。幅員は、山地部では歩道の無い9b、平地部では両側歩道の15bを基準とする。信楽高原鐵道勅旨駅北西の丘陵地では、延長約800bのトンネルが計画されている。
提供:滋賀産業新聞